世の中には矛盾することがたくさんあります。
少子化だから、たくさん子供を産もう!と言って子供をつくってみたら保育園が足りないとか。
無灯火の自転車を取り締まる警察官が、歩道を自転車で走行しているとか。
育児休暇中に不倫をするとか。
世の中は矛盾だらけです。
わたしにとっての大いなる矛盾は「辛いもの好きだけど、辛いもの苦手」ということです。
辛いものはおいしいので、キムチとか好きですし、うどんに七味唐辛子も結構振りかけます。
カレーも好きですし、蒙古タンメン中本にも行ったことあります。
おいしいと思うのですが、いかんせん辛いものが苦手なので、舌がひりひりして汗が滝のように流れ落ちますし、食後もお腹がギュルギュルしたりで本当に大変で辛いです。
いま、この末尾の「辛いです。」を「からいです」と読んだ方は、ん?となると思いますが、わたしは「つらいです。」という意味で書きました。
そう、カライとツライは両者とも同じ「辛い」という漢字を書くのです。
漢字というものには、文字ひとつひとつに意味がちゃんとあります。
厚切りジェイソン風に言えば、
「『辛い(からい)』と『辛い(つらい)』どちらも同じ字。『からい』もの食べると、『からく』て『つらい』から、これは成立します。」
となるでしょう。
ここは個人の味覚による部分は大きいと思いますが、わたしは「からい」ものは「おいしい」と思っています。
「おいしい」のですが、ある程度の「からい」ものを食べると、舌がひりひりしますし、調子悪いときは壮絶に胃腸をぶっ壊します。
世の中には、中本の北極みたいな食べ物を涼しい顔してペロリと食べるような人もいますが、わたしからすれば北極は絞首刑とかフリーバンジーなどの死罪に該当するレベルの極刑です。
つまり、「からい」ものを食べる際に、「得意」な人と「苦手」な人がいるというころで、まとめると「辛いもの好きだけど、辛いもの苦手」となるわけです。
良薬は口に苦しという言葉がありますが、うまいものは口に辛しという言葉も成立すると思っています。
なので、おいしい坦々麺とか聞くと、舌のひりひりや滝のように流れる汗をイメージしつつ、心躍ることは避けられないのです。
陳麻家はちんまーやと読むらしい
お店は都内に何か所がありまして、新宿だけでも3店舗あります。
今回わたしが訪れたお店は西新宿駅寄りの西新宿成子坂下店です。
結論から言うと、なぜ食べログの評価が普通なのかわからないレベルの美味です!
わたしの舌がそれはもうカムチャッカファイヤーのごとし、火を吹く辛さに発狂寸前ではありましたが、それくらい辛い中にもコクを感じることが出来ました。
だから、これは非常においしい料理なんだと認識しています。
ランチタイムに訪れたこともあり、「極上担々麺」と「ミニ陳麻飯」なるミニマーボー丼のセット(1000円)をオーダーしました。
カムチャッカファイヤー級極上担々麺とセットの陳麻飯
極上担々麺
来た瞬間にやっちゃったと思うレベルの紅色でして、もう少し辛さを控えてくれないかと思いました。
ネギとほうれん草に隠れて見えてないですが、担々麺を象徴するそぼろ肉がレンゲ一杯分くらい乗っています。
担々麺あるあるだと思いますが、そぼろ肉が早々にどんぶりの底に沈んで後半は辛すぎてスープが飲めなくて、泣く泣くそぼろ肉をあきらめるということって、よくありますよね。
しかし、この店には金属製の穴あきレンゲがついております!
穴あきレンゲでどんぶりの底に沈むそぼろ肉を救出しながら、食べることが出来るという素晴らしいシステムなのです。
また、麺はこの手の中華料理屋風ラーメン屋にありがちな伸びて柔い麺ではなく、しっかりとコシのある中細麺です。
この麺のクオリティを見て、この店の評価はこんなもんじゃない!と思いました。
スープは、ロード・オブ・ザ・リングのサウロンの目のように赤いですが、闇雲に辛いのではなく味噌のようなコクを感じる味わいです。
※参考画像
ただし、辛さは優しいものではないので、途中から辛さで舌がぴりぴりしますし、額の汗もにじんでたれ始めますが、コクを求めてスープをレンゲですくって飲んでしまうおいしさです。
ダメとわかってやめられない背徳のスープがそこにありました。
ミニ陳麻飯
ミニマーボー丼です。
本格的な辛さのマーボーがトロッと白飯の上に乗っています。
もっと辛いかと思いましたが、比較的辛さは抑えられているのかなと思うような味でしたが、担々麺のせいで、痛覚がよくわからなくなっているのであまり参考にしないでください。
担々麺とピッタリ合うおいしさで、辛さが中和されることはないですが、ごはんが進みます。
むしろお店としても「陳麻飯」中心のメニューがあるくらいなので、担々麺と双璧を成す中心メニューでありましょう。
書いてる最中によだれが止まらなくなりました
それくらい、また行きたいって思えるお店です。
圧倒的に辛いものが苦手なわたしが辛い料理をレビューしているので、本格的に辛いものが好きな人の基準に合うかは一切保証できかねます!
辛さのなかからも、主張してくる味わい深いコクと、麺のクオリティが決め手になっていますので、辛いもの得意な人でもおいしいと思うことでしょう。
それだけは伝えたいです。
やみつきになるうまさの陳麻家おすすめです!