いったい自転車の何が、わたしをここまで惹きつけるのか。
その理由を文章化したいと思います。
一人でも多くの方に、自転車の魅力を再発見していただけることを祈って。
自転車は動力源が人間の力のみであり、どこにでも行けると思えること
自転車はペダルを漕いで、漕いだ分だけ前進するという非常にシンプルな乗り物です。
そこに特別な技術は全く必要ありません。
ストライダーという幼児向けのペダルなしの自転車のような遊具があります。
幼児は特別な練習をすることなく、ストライダーを乗り越せると聞きます。
自転車が前進する原理も、ストライダーと基本的な部分は全く一緒です。
人間が本来持っている平衡感覚があれば、誰にでも乗りこなすことが出来る乗り物が自転車です。*1
自転車で目的地にたどり着けないのは技術不足だからではありません。漕ぐことを途中で諦めたからです。
このシンプルさが最高なんですよ。
漕げば進む、漕がなきゃ進まない。
漕げばいつかたどり着く、漕ぐことを辞めれば永遠にたどり着けない。
わたしはいつも『自転車はハートで乗るものだ』と言っています。
人間が動力源、人間の動力源である心臓という意味でのハートと、目的地にたどり着く心という意味でのハート、2つの意味を持たせています。
目的地にたどり着くという気持ちさえあれば、あなたはどこにだって行くことが出来ます。
自転車はそういう乗り物なのですから。
物理学的にも最もエネルギー効率の高い乗り物であること
移動距離あたりの消費エネルギーが最も少ない乗り物が自転車です。
徒歩よりも、ハイブリットカーよりも、船よりも、馬よりも、飛行機よりも少ないエネルギーで移動することが可能です。
この地球上で最もエコで、最も効率の良い乗り物が自転車なのです。
自転車は信号の多い都心部でも1時間で15km程度は移動することが可能です。ロードバイクや、健脚の人なら1時間で20kmくらいは移動可能です。
すると、通勤・通学の代替手段になり得ると思います。
最寄り駅までの移動時間、乗り換えの煩雑さ、満員電車の不快感から解放され、最短距離で目的地に移動することが出来る乗り物が自転車です。
自宅と職場・在学先の立地条件が合っている場合には、まだ電車で消耗してるの?と言いたくなるくらい、自転車がベストな移動手段になると思います。
仮に自転車で移動した場合の方が時間がかかったとしても、交通費を浮かすことが出来て、後述するエクササイズ効果までリターンとして得られます。
都心部に住む人こそ、自転車での移動の可能性を追求し、自宅から目的地までGoogleMapsで移動距離を調べてみることをおすすめします。
低負荷で高エクササイズ効果の得られる運動であること
メタボリックシンドロームの人が、お医者さんから運動をすすめられ、よし!運動だ!と思って慣れないランニングをしたら、膝を故障した。みたいな話は、よくあると思います。
なので、結論から言えば、自転車は身体にとって低負荷な乗り物なので、運動習慣が無い人こそ自転車によるエクササイズをおすすめしたいのです。
なぜ低負荷かと言うと、先ほども述べたように少ないエネルギーで前に進むことが出来るため、徒歩やランニングに比べて身体に与えるダメージが少なく済みます。
さらにスポーツタイプの自転車になればなるほど、使う筋肉は下半身だけでなく上半身の筋肉、特に体幹の筋肉を使って乗るようになります。
すぐ足が地面につくようにと、サドルを下げて乗ると、膝に大きな負担がかかるのでよろしくありません。
地面に軽く足がつくくらいで構わないので、サドルを高くして、ペダルをクルクル回すイメージで走ってみましょう。
上半身が安定しないとクルクル回せないので、結果的に体幹の筋肉が鍛えられます。
詳しい理屈は省きますが、そうすることで脂肪が燃焼し、基礎代謝が上がるため、痩せて太りにくい身体を手にすることが出来ます。
一番重たいギヤで坂道を全力でダッシュし続けるような乗り方をする人、そもそも体脂肪率が10%を切っているような人たちを除けば、確実に痩せると言っても差し支えありません。
さらに移動も出来て、本来移動にかけていた電車賃などのコストも浮かすことが出来る。一石三鳥のような魔法の乗り物が自転車なのです。
なお、デンマークではコペンハーゲン市内への自家用車の侵入に制限をかけ、自転車道路を整え、自転車通勤を推奨した結果、デンマーク国全体の医療保障金額が減少したという結果が得られたそうです。
自転車に乗ったら、国民が健康になったというわけです。
だから自転車最高なんです
趣味やスポーツとして最高なのではなく、生活をより豊かにするために非常に効果の高い乗り物であることを伝えたいです。
その上、ロードバイクのパーツ交換や、小径車のカスタマイズといった趣味にすることも出来ますし、
自転車ロードレースや、ヒルクライムレースといったスポーツとしての要素もあり、
鉄道・バス・乗用車に並ぶ交通インフラとしての一面を持っています。
「趣味が欲しいんだけど?」
ならば自転車に乗りましょう。
「運動不足なんだよね〜」
ならば自転車に乗りましょう。
「満員電車がイヤでさあ」
ならば自転車の乗りましょう。
自転車が全てを解決してくれると、わたしは本気で思っています。
このエントリーは自転車先進国・オランダに向かう空の上で書きました。
科学技術の発達により、音速に近いスピードで移動することが出来る飛行機も本当に素晴らしいことです。
人類が空に飛び立つきっかけをつくったのは、人類初の有人飛行を実現したライト兄弟です。
ライト兄弟が飛行機開発をつくる前は、何をしている人だかご存知でしょうか?
そうです。自転車屋さんだったのです。
わたしがこうして空を飛べるのも、自転車のおかげと言っても間違いではありません。
自転車の街・アムステルダムより、自転車への感謝と、自転車への愛を込めて。
*1:余談ですが、自転車を乗れるようになるために補助輪をつけて練習することは、かえって回り道です。ストライダーを買い与えてください笑