オランダといえば、何でもありな自由の国というイメージが強いと思います。
実際に現地で、その空気感・人柄などの触れて確信したことは間違いなく「自由の国」だと言うことです。
特に首都・アムステルダムでは、人々があまりにも自由すぎて、もはや「カオス」です。
しかし、オランダ人にとってみれば、これらが「普通」なんだそうです。
どれくらいカオスであるか、わたしがアムステルダムに滞在して感じたことをお伝えしていきます。
「国王の日」の騒ぎ方が尋常ではない
偶然にも、わたしがアムステルダムに降り立った日である4月27日は「国王の日」でした。
そのようなことを、全く知らなかったわたしは、老若男女問わず目の前で大騒ぎしている光景に、全く理解が追いつきませんでした。
何しろオランダに到着した初日です。この風景が日常的な光景なのかどうかすら分かりません。
何しろ27日は水曜日でしたので、普通に平日ですからね。
しかもほとんどの人が何かしらオレンジ色の服、アクセサリー、帽子を身に着けています。
街角の至るところでは、大音量でDJが音楽を流し、人々は踊り狂いながらビールを飲んでいます。
運河を見ると、無数のボートがゆっくりと進んでいて、船上では大音量を奏でながらパーリーピーポーです。
こんな中を、オレンジ色のハットをかぶった老齢の夫婦が手をつなぎながら歩いていたり、父・母・子・子みたいな普通の家族連れが焼きトウモロコシ食べながら歩いています。
アムステルダムは屈指の自転車専用道路が整っているとの話だったのに、自転車道路には屋台と道行く人で埋め尽くされています。
王宮の真裏には、絶叫マシンや観覧車などが建設されて遊園地になっています。
観覧車やフリーフォールの後ろ側に見える建物が王宮です。
このように国王の誕生日である「国王の日」には、街中をオレンジ色に染めて、踊れ歌え叫べの大宴会を繰り広げるのがオランダ流だそうです。
天皇誕生日に皇居のまわりで、全員日の丸を身につけて、日本酒片手にどんちゃん騒ぎをしているようなものですからね。
オランダの洗礼を受けた気分ですが、日本では考えられないカオスぶりに心躍った一日でした。
「I amsterdam」のモニュメントに登る人が続出する
アムステルダム国立美術館の前には、名物にもなっているモニュメントがあります。
ご覧のとおり、登る人が続出しています。
日本でこういう場所があったら、間違いなく係員が「登らないでくだいさい!」と注意するか、「危険!登るな!」みたい貼り紙をすると思います。
オランダの場合は、こうです。
「登るときは自己責任でよろしく!」ですよ。
自由を謳歌してOKですが、起こりうる不測の事態は、自分の責任でどうにかしてね。というスタンスが国の方針です。
わたしが空港に到着して早々に、タクシー詐欺に遭いかけた際には、詐欺の人の前で空港の警務官と思わしき人がわたしに対して「わたしはおすすめしないが、あなたはこの人(詐欺師)と一緒に行ってもいいし、行かなくてもいい。」みたいな言葉をかけてくれました。
日本なら「この人と一緒に行ってはいけませんよ。」だと思うんですよね。
また、鉄道には改札がない駅も多くあります。
信用乗車方式と言うそうで、駅員を削減する代わりに、ランダムで行われる検札の際に乗車券不携帯だと膨大な罰金を請求されるそうです。
オランダは基本的に「自己責任でよろしく!」なんです。
性に対して何の抵抗感もなさすぎる
旧教会周辺地区は、飾り窓地区とも言います。
飾り窓の中には、娼婦が立って、道行く人々を誘惑します。
この光景だけでも抜群にカオスなのですが、この写真を見ていただきたいです。
まさにこの写真を撮った時のわたしの背後には旧教会があるのですが、写真の建物は何だと思いますか?
答えは「幼稚園」です!
ここの幼稚園から歩いて10秒くらいのところには飾り窓がありますからね!さすがにおかしい!狂っています!
歌舞伎町の無料案内所の隣に幼稚園があるようなものです。
さらに日本で言う珍宝館みたいな施設が無数に存在します。大人のおもちゃを販売するお店も、そこらじゅうに乱立しています。「コーヒーショップ」もあれば、大人のショーを行う施設もあります。
完全にR-18な場所にもかかわらず、普通に親子連れが歩いているんです。母親が夜の仕事をしているためとかではなく、父・母・子・子みたいな、ごくごく普通の家族です。
また老齢の夫婦も手をつなぎながら歩いていて、普通に飾り窓を覗いたりしています。
様々なゴムを売っているお店も、ショッピングストリート沿いに普通に並んでいます。
日本の一般的な家族の会話で、「明日の休みはどこに行く〜?」「そうだな、歌舞伎町にするか!」「いいねいいね!」なんて会話は100%あり得ないですからね!*1
オランダのことならこの人に聞け!ハンクおじいさんに聞いてみました
オランダで出会って、アムステルダムの観光案内をしてくれたハンクおじいさんに、これらの疑問をぶつけてみました。
※ハンクおじいさんについては『初老のおじいさんに「レディボーイ」と声をかけられ、ハイネケンをおごってもらった話』の記事を見てください。
「飾り窓地区を家族が歩いているのが、日本では考えられないよ。そこのところどうなん?」と聞くと、ハンクおじいさんの回答は実にシンプルでした。
「It’s normal」とのことです。オランダでは普通なんですって。
「子供が飾り窓とか見ても問題ないの?」と聞いても「No problems. It’s normal.」ですから。
これだけオープンに育てられた子供たちが成長し、「国王の日」に老若男女問わず大騒ぎして楽しむような活気のある国をつくっているのだと思いました。
だから、日本人はこうとか言うつもりはありません。
オランダではこうだった。非常に面白かった。で、十分だと思います。
自己責任の名のもとに自由を許容している国・オランダ。個々人の心がけ次第で、いくらでも楽しめる幅のある国・オランダ。
わたしはまた必ずオランダに行こうと誓ったのでした。
・ヨーロッパ旅行は意外と安い
わたしはゴールデンウィークに行きましたが、航空券+ホテル7泊で15万くらいでした。
※参考:海外格安航空券の空席と、海外格安ホテル空室情報がすぐわかる!
格安航空を使えば、航空券代は安くあがります。わたしはエティハド航空を使いました。
アムステルダムのホテルが高いので、中心地からちょっと離れたホテルに宿泊しました。無料貸し出し自転車のあるホテルなら、サイクリングロードが非常に整備されたアムステルダム市内の移動は、路面電車より楽です。
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*1:最近はトーホーシネマズが出来たりして、家族連れで訪れてもおかしくない雰囲気ですが、分かりやすい例えだと思いますので、歌舞伎町としました