※選手の脚質や役割、実績を記載しています。
今季で解散が決定しているIAMサイクリング。
所属する選手たちは、解散するチームのためと言うよりは、次の所属先を見つけるための就職活動として見せ場をつくりたいという想いが強いことでしょう。
リアルな生活がかかった、アタッカー集団となっています。
※ブエルタ・ア・エスパーニャ2016の出場選手情報については
ブエルタ・ア・エスパーニャ2016 出場選手一覧&チームレビュー
をご覧ください。
(2016.7.6更新)
- 71、マティアス・フランク
- 72、スタフ・クレメント
- 73、ジェローム・コッペル
- 74、マルティン・エルミガー
- 75、ソンドレ・ホルストエンゲル
- 76、レト・ホレンシュタイン
- 77、リー・ハワード
- 78、オリバー・ナーセン
- 79、ヤルリンソン・パンタノ
- ドリス・デヴェナインス(欠場)
- アタックに次ぐアタックを仕掛けて、とにかく目立とうというメンバー構成
71、マティアス・フランク
国籍:スイス
年齢:29歳
脚質:クライマー、オールラウンダー
独走力 ★★★☆☆
TT力 ★★★☆☆
登坂力 ★★★★☆
スプリント ★★☆☆☆
昨年のツール総合8位の実績を誇るマティアス・フランクがエースを務めます。
クライマーとしての脚質が強く、TTは若干弱めです。
以外にもワールドツアーカテゴリーでの勝利経験は無く、次の移籍先チームで好条件で契約するためにも、ステージ優勝をしたいところです。
何より、今年のツールはフランクの地元スイスを通ります。
本拠地がスイスであるIAMサイクリングとしても、最後の華を持ちたいところです。
スイス・アルプスでの山岳ステージで雄飛するマティアス・フランクに期待しましょう!
72、スタフ・クレメント
CyclingQuotes.com Ill Stef Clement out of Pais Vasco
国籍:オランダ
年齢:33歳
脚質:TTスペシャリスト
独走力 ★★★☆☆
TT力 ★★★★☆
登坂力 ★★☆☆☆
スプリント ★★☆☆☆
4度のオランダTTチャンピオンに輝くなど、TTスペシャリストとして名高いベテラン選手です。
キャリア最大の勝利は、2014年の『ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ』第6ステージでの逃げ切り勝利です。
しっかり脚をためて、独走逃げ切りに持ち込むことが出来れば、十分勝機はあると思いますが、主な役割はエースであるマティアス・フランクを守るアシストとなりそうです。
73、ジェローム・コッペル
Jérôme Coppel (IAM) champion de France du contre-la-montre, Chavanel 3e - L'Équipe
国籍:フランス
年齢:29歳
脚質:オールラウンダー
独走力 ★★★☆☆
TT力 ★★★★☆
登坂力 ★★★☆☆
スプリント ★★☆☆☆
2011年ツールで総合14位に入るなど、総合系ライダーとして期待されていましたが、年々成績を落としていて、昨年はツールと『ブエルタ・ア・エスパーニャ』の両方に出場するとも途中リタイヤとなっています。
しかしながら、昨シーズンはフランスの国内TTチャンピオンに輝き、世界ロード選手権のTT部門で3位入賞しています。
TTスペシャリストとして、またはルーラーへと脚質を変えてきているように見えます。
山も登れるルーラーとなると、逃げ切り狙いに持ってこいなため、フランス人ライダーとして果敢にアタックして欲しいなと思います。
74、マルティン・エルミガー
CYCLISME: Quatrième titre national pour Martin Elmiger - Le Matin
国籍:スイス
年齢:37歳
脚質:クラシックスペシャリスト
独走力 ★★★☆☆
TT力 ★★☆☆☆
登坂力 ★★★☆☆
スプリント ★★★☆☆
パンチャー気質のオールラウンダーというイメージでしょうか。フランス語のWikipediaにはクラシックスペシャリストと書いてあったので、そのイメージを採用しました。
新城幸也が総合優勝したこともある『ツール・ド・リムザン』を2013年に総合優勝しています。また、昨年の『パリ〜ルーベ』5位です。
37歳となる大ベテランライダーのスイスのロードナショナルチャンピオンに4度輝くなど、ファビアン・カンチェラーラ(トレック・セガフレード)がTTでのスイス人ベストライダーであれば、ロードのベストライダーはエルミガーと言えましょう。
アシストも出来ますが、やはり山岳コースでの逃げに期待したいところです。
75、ソンドレ・ホルストエンゲル
http://www.procycling.no/det-blir-en-voldsom-snakkis/
国籍:ノルウェー
年齢:22歳
脚質:スプリンター
独走力 ★★☆☆☆
TT力 ★★☆☆☆
登坂力 ★★☆☆☆
スプリント ★★★★☆
U-23国内ロードチャンピオンに2度輝くなど、『踊りも上手な』ノルウェー期待の若手スプリンターです。
ノルウェー人スプリンターと言えば、トル・フースホフトやエドヴァルド・ボアッソンハーゲンを思い浮かべます。
メンバー構成的にもスプリントステージは、実質的にホルストエンゲルがエーススプリンターとなりそうです。
偉大なる大先輩へと近づくためにもツールの晴れ舞台で暴れまわってほしいところです!
76、レト・ホレンシュタイン
国籍:スイス
年齢:30歳
脚質:TTスペシャリスト、ルーラー
独走力 ★★★☆☆
TT力 ★★★☆☆
登坂力 ★★☆☆☆
スプリント ★★☆☆☆
チームメートのデヴェイナンスが総合優勝した『ロンド・ファン・ベルギー』で総合2位となりました。
キャリアでの勝利経験はほとんどなく、画像の通りアシストに徹しているライダーだと思われます。
スイスのTT国内選手権では、2013年3位・2015年2位・2016年2位です。
ファビアン・カンチェラーラ(トレック・セガフレード)という最強のTTスペシャリストの後塵を拝していますが、TT能力・独走力の高さには定評がありそうです。
77、リー・ハワード
国籍:オーストラリア
年齢:26歳
脚質:スプリンター
独走力 ★★☆☆☆
TT力 ★★☆☆☆
登坂力 ★★☆☆☆
スプリント ★★★★☆
グランツール出場4回中、2回完走しています。ツール初出場となります。
2009年『ツアー・オブ・ジャパン』に参戦し、ステージ3勝をあげる活躍をしています。
キレのいいスプリントを見せることが出来るか、注目です!
(2016.7.2追記)
第1ステージでファーストアタックを決めて逃げに乗りました。
78、オリバー・ナーセン
国籍:ベルギー
年齢:25歳
脚質:パンチャー
独走力 ★★★☆☆
TT力 ★★☆☆☆
登坂力 ★★★☆☆
スプリント ★★☆☆☆
グランツール初出場となるベルギー人ライダーです。
ベルギーらしく、ワンデーレースを得意としていて、下位カテゴリでの勝利経験は多数あります。
ツール前哨戦でもある『クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ』第3ステージでは、アップダウンの激しいクラシカルなコースレイアウトでしたが、集団の上位(15位)でフィニッシュしています。
マティアス・フランクやジェローム・コッペルのアシストをしつつも、隙あらば逃げて大舞台でアピールをしたいところです。
79、ヤルリンソン・パンタノ
TDF 2015: Final a máxima intensidad | Triamax
国籍:コロンビア
年齢:27歳
脚質:クライマー
独走力 ★★☆☆☆
TT力 ★★☆☆☆
登坂力 ★★★★☆
スプリント ★☆☆☆☆
近年躍進が目覚ましいコロンビアンクライマーの一人です。
第4のグランツールとも呼ばれる『ツール・ド・スイス』第9ステージで、降雪のため距離半分に短縮されたとはいえステージ優勝を飾りました。
昨年のツールでも厳しい第16ステージで逃げ集団に乗り、厳しい山岳ステージで3位に入るなど、グランツールでの存在感も増してきています。
クライマー向けのステージの多い今大会で、パンタノが勝つチャンスは十分にあると言えましょう!
ドリス・デヴェナインス(欠場)
Dries Devenyns volgt Pim Ligthart op in GP Marseillaise | WielerFlits
国籍:ベルギー
年齢:32歳
脚質:パンチャー、クライマー
独走力 ★★★☆☆
TT力 ★★☆☆☆
登坂力 ★★★★☆
スプリント ★★★☆☆
直近の『ロンド・ファン・ベルギー(HCカテゴリ)』で、総合優勝しました。
ベルギーの大地は、春のクラシックに代表されるように激坂を含むアップダウンの激しい地形です。
気候の悪条件も重なると、新城幸也曰く『生涯で一番キツいレースだった』と言わしめるほど、タフなステージレースです。
自由が許されるならば、ガンガンアタックを仕掛けて勝ちを狙いたいところです。
アタックに次ぐアタックを仕掛けて、とにかく目立とうというメンバー構成
総合狙いでもなく、スプリント勝負でもなかなか勝つことが難しそうなチームは、逃げ戦略を第一に考えることが多いです。
IAMサイクリングのメンバーは、逃げに乗る力・独走力に長けた人・アタック力のあるメンバーを中心とした人選になっています。
選手たちもリアルな生活がかかっているので、必死に逃げてくると予想されます。
大会をかき回す存在として、注目です!
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