自分が今までに読んだプロ野球選手が書いた本でも紹介しようかなあ、なんて考えていて、かつて読んだことある本でタイトルを思い出せないものをAmazonで探していました。
その時に、『この商品を買った人はこんな商品も買っています』ってやつがあるじゃないですか。
それを何気なく見ていたら、野球選手っていっぱい本を書いているんですよね。
「鳥谷も本出すんだ!」
「山本昌の本おもしろそうだなあ」
「そういえば、イチローと野茂は自分で書いた本ないんだよなあ」
とか考えている時に、ひらめきました!
ポジションごとに一番多く本を書いたプロ野球選手で打線組んだらおもしろそうじゃないか!
ということにです。
そこからは、スーパー調査タイムです。
やってみてわかることが多いのですが、結構意外な事実がわかったり、こんな人も本書いているんだ〜なんてことも知れたりして、なかなかに面白かったです。
ということで、早速「一番多く本を書いているプロ野球選手で打線組んでみた」ご覧ください!
カウントのルール
- Amazonに記載されていて、著者名に本人の名前があるものをカウントします。
本のタイトルに本人の名前があっても、本人が書いてなかったらカウントしません。
- Amazonの本カテゴリで検索して著者名のリンクからカウントするか、検索結果一覧を目視してカウントします。
なので、見落とし・見逃しあると思います。その時はコメント欄で指摘ください。
- 共著も1冊とカウントします。
例えば、杉内俊哉と和田毅が書いた「サウスポー論」は杉内・和田それぞれで1冊とカウントします。
- ムック本も1冊とカウントします。
たくさんヒットした場合に、単行本かムック本を判別しているとキリがないためです。
- 監修の場合1冊とカウントします。
Amazonの仕様上、監修も著者扱いになっているため。厳密に言うと商品ページに行けば判別できますが、それは大変すぎるのでやめました。
- カレンダー・VHS・DVDは除外するようにしていますが、たくさん検索でヒットした場合は、除外するのが困難なためカウントしている可能性はありますが、トータルでの順位にはさほど影響なしと見て、黙殺しました。
- ただしムック本1冊・カレンダー1冊・VHS1本・DVD1本のみという場合は除外します。
例えば坂本勇人の「坂本勇人 G-HERO」は著者名が『坂本勇人』になっていますが、坂本は他に単行本・文庫本を書いていないためカウントなしにしています。
- 技術指南本も1冊とカウントします。
例えばダルビッシュ有の「ダルビッシュ有の変化球バイブル ハンディ版」とか、こういうものです。というか除外してカウントするのが大変すぎました。
- 単行本と文庫版は重複してカウントせず、それぞれ1冊としてカウントします。
同じく見分けるのが大変だからです。文庫化するくらい売れているということで、プラス1してもいいかなと思いました。
「一番多く本を書いているプロ野球選手で打線組んでみた」スターティングオーダー発表!
1番 レフト 張本勲(12冊)
若者には、本当に人気がない張本さんです。
イチローに抜かれるまでは、通算安打記録3085本という大記録を持っている方ですごいのは間違いないのですが、コメントがあまりにも古臭くて嫌われるのも仕方ないかなと思っています。
たまーに、「確かに」ってなることも言いますけどね。
そんな張本さんイチローが日米通算3085本打った時に「メジャーは162試合だが、オレは130試合の中で3085本打ったからオレの記録の方が価値が高い。4000本打ってから言え」みたいなことを言ってしまい、その後本当に日米通算4000本打ったイチローさんかっけえええええ!となったエピソードが好きです。
2番 ショート 豊田泰光(21冊)
1953年、高卒ルーキーのプロ1年目に27本塁打を記録した元祖・大型ショートです。
当然、当時のプロ新記録で、清原和博の31本に抜かれるまで30年以上にわたって日本記録であり続けました。
時代が時代だっただけに、打てるショートはめちゃくちゃ貴重であり、もっと評価されてもいい選手だと思います。
意外と本も多作で、ノムさんがよく書くようなビジネス書チックな本が多く、技術系の本はほとんど執筆していないようです。
3番 センター 松井秀喜(11冊)
日米通算494本塁打、2009年ワールドシリーズMVP、2013年国民栄誉賞受賞!と、我れらがスーパースター・松井秀喜が堂々のランクインです!
このスタメンの中では41歳にして最年少です。
現役時代にも数冊本を書いていて、同じ時代を生きたスーパースター・イチローは一冊も書いていないという対比がまた興味深いところです。
わたしが野球に興味を持つようになったきっかけである人であります。
これからも、おそらくたくさん執筆されて記録を伸ばしていくことでしょう。
4番 サード 長嶋茂雄(26冊)
もはや説明不要なミスターこと長嶋茂雄です。
スター選手は多作だってことがわかりました。
Amazonには写真すら載ってないような技術本から、エッセイ的な書籍まで幅広く出ていました。
あの頃は良かった、と言われがちなプロ野球は、これから長嶋茂雄をほとんど知らない人たちが盛り上げていく必要があります。
スターに依存しないプロ野球のシステムを考えないと、サッカーやバスケに押されてしまうことだって十分にあり得るでしょう。
5番 ファースト 王貞治(46冊)
同じく説明不要な世界の王貞治です。
通算本塁打記録868本は不滅の大記録です。
毎年40本打って、20年かけてようやく800本ですからね。
現役で通算本塁打が最も多いのが阿部慎之助の361本、ついで村田修一の321本、中村剛也の309本です。
王さんの記録がすごすぎて、確かに本を読みたくなるのもうなずけます。
6番 キャッチャー 野村克也(139冊)
圧倒的な多作で、唯一の100越えです。
この方の解説はめちゃくちゃ分かりやすくて、本も何冊か読んだことありますが、どれも筋が通ってて非常に読みやすいです。
現役時代も歴代最強捕手と言っていいだけの実績も残しています。
捕手として世界初の三冠王、出場試合数歴代2位、監督としても出場試合数歴代3位、通算本塁打数歴代2位、通算打点数歴代2位、通算犠飛数歴代1位などの記録を持っています。
特に1973年シーズンはプレイングマネージャーとして、選手としては打率.309・本塁打28本・打点96を記録し、チームはリーグ優勝!という尋常ではないことを成し遂げています。しかもキャッチャーですからね。
本当にとんでもない人です。
7番 セカンド 仁志敏久(12冊)
個人的に超がつくくらい大好きな選手なので、嬉しいです!
仁志と言えば、パンチ力のあるバッティングに加え、「センター前抜けない!仁志が守っていた〜!」でお馴染みの先読みニュータイプ守備の名手です。
守備に関する本だけでも5〜6冊ありました。
仁志の持っている独特の世界観みたいな雰囲気がとても好きでしたね。
巨人という圧倒的なチームに染まってない感じがいいなと思いました。
現在は、サムライジャパンのコーチをしています。
8番 ライト 栗山英樹(16冊)
現日本ハムファイターズ監督の栗山さんが入りました。
この方の現役時代のポジションとか、失礼ながら全く知りませんでした。
ずっとピッチャーと思っていました。
というのも、栗山さんの現役時代は実働わずか7年でした。
しかしプロ6年目の1988年シーズンには外野手(センター)として、ゴールデングラブ賞受賞した、俊足・堅守のスイッチヒッターだったのです。
引退後は、スポーツキャスターに就任し、栗山さんと言えば「GetSports」での身振り手振りでの説明が有名でしょう。
わたしはここで存在を認知していて、プロ野球選手としての名前はあまり聞かないけど、よくテレビに出ている人という認識でした。
その後は、白鴎大学の教授を務めるなど、他のプロ野球選手にはない独自のキャリアを進み、日本ハムの監督に就任し、就任1年目からリーグ優勝を果たすなどの活躍をしています。
そういうキャリアを歩んだだけあって、著書も多作となっているようです。
9番 ピッチャー 江本孟紀(75冊)
個人的には結構予想外だったのがエモヤンこと、江本孟紀です。
この際だから言いますが、この人の解説は本当に苦手でして、フジテレビで江本さんが解説のときは、TBSラジオを聞きながら観戦していたことを思い出します。
炎上系ブロガーにありがちな煽り方が得意で、それを言うと波紋を呼ぶことをわかっていつつも、一部の熱烈な支持者がいることも知っていて、燃やしている感がするので、わたしは好きではないというより、聞いていて気分が悪いです。
なので、75冊著書があるそうですが、すみません、一冊も知りませんでした。
中継 長谷川滋利(12冊)
メジャーでは実働9年で500試合以上登板した、タフネスで使い勝手の非常にいいリリーフ投手でした。
この方も独特の文化を持っていて、著書はどれを読んでも面白かったです。
わたしがメジャーに興味を持って、本格的に見ようとした時に、この本を参考にさせてもらいました。
選手目線で、日本とメジャーの違いが詳しく書かれていて、読んでてよかった一冊です。
抑え 江夏豊
プロ野球史上最もドラマチックな選手でしょう。
日本記録であるシーズン401奪三振、オールスター史上唯一の9者連続奪三振、広島時代に近鉄との日本シリーズでの「江夏の21球」、現役最晩年のメジャー挑戦、引退後に覚醒剤取締法違反で逮捕、などと話題に事欠かない人でした。
南海時代に野村克也監督がプロ野球史上初めて「抑え」専門の投手に任命したのが江夏豊です。
先発にこだわりがあった江夏は当然反発します。
その時に野村監督は「野球界に革命を起こそう」という口説き文句で江夏を説得し、最優秀救援投手に輝き、その後移籍先の広島で「江夏の21球」と繋がっていきます。
経歴だけでも面白い選手でしたので、こちらもオススメです。
本を書いているプロ野球選手の著書数詳細データ集と考察
ポジション別著者数
※凡例
P:投手
C:捕手
1B:一塁手
2B:二塁手
3B:三塁手
SS:遊撃手
OF:外野手
※選手のポジションはWikipediaのプロフィール欄の一番左に記載されているポジションとしました。
例えば、落合博満は三塁、岡田彰布は二塁という要領です。
ポジション別の著者数をまとめたグラフです。
単純に一番母数が多くなるピッチャーが1位で、2位は常時3人は出場している外野手と、やはりプレイヤー数に比例するようです。
予想では、キャッチャーの著者はもう少し多いんじゃないかと思ったのですが、意外とサードやショートと同じくらいの著者数でした。
また、一塁手が少ないのは外国人選手が守ることが多いからと推測します。
ポジション別冊数
ポジション別に出版した本の冊数の合計値をまとめたグラフです。
圧倒的にノムさんの力でキャッチャーが2位ですね笑
ノムさん一人でプロ野球界全体の16.5%のシェアを取っています。
ポジション別著者数では最下位だったファーストも、こちらのランキングでは4位です。
王貞治と川上哲治の2人のレジェンドで計60冊本を出しています。
年齢別著者数
20〜29、30〜39・・・というように10歳ごとに区切って、著者数を算出したグラフです。
現役真っ最中である20代が少ないことはわかりますが、40代が突出して多いことが目につきます。
40〜41歳に、松井秀喜・上原浩治・黒田博樹・ラミレス(笑)らがいます。
48〜49歳には、清原和博・佐々木主浩・野村謙二郎らがいます。
その間には、金本知憲・山崎武司・桑田真澄・立浪和義や、ポジション別1位になった仁志敏久・長谷川滋利らがいます。
この世代は、1990年代から2000年代前半に全盛期を迎えていた選手が大勢います。
まだ高視聴率が取れていた時代であり、プロ野球選手の出版ブームの流れにも乗って、多くの選手が本を出しているのかなと考えました。
年齢別冊数
年齢別に出版した本の冊数の合計値をまとめたグラフです。
顕著に年齢の高低による差が大きいことが一目瞭然です。
全選手トップ10のうち6名(野村克也、王貞治、長嶋茂雄、豊田泰光、川上哲治、森祇晶)が70代以上ということもあり、70代以上の圧勝です。
60代のトップが江本孟紀(75冊)、50代トップが工藤公康(19冊)、40代は仁志敏久(12冊)、30代は金子千尋(4冊)、20代はダルビッシュ有と前田健太(3冊)という結果です。
当然、長く生きていれば、その分出版数も多くなることがわかりました。
まとめ
スター選手は自分が望まなくても、まわりから望まれて出版しているように思えました。
対して、現役時代は王・長嶋・野村クラスと比較すると、そこまでの実績ではないなという方でも、積極的に評論家活動や野球を広めるみたいなミッションを持っている人は著書数が多くなるように感じました。
例:江本孟紀、長谷川滋利、栗山英樹、仁志敏久
また、現役選手がかなり大勢本を書いていることもわかりましたし、実際にどんな本を書いているのかというところも結構興味深くて面白かったです。
さすがに本稿のボリュームも非常に大きくなってきたので、次回は「現役で一番多く本書いているプロ野球選手で打線組んでみた!」をやります。
その際に、全選手の集計値も公開したいと思います。
その次は、「え?このプロ野球選手がこんな本書いていたの?意外な著書10選」をやります。
この企画思いつきで始めたら、ものすごい調査時間かかってしまったので、1回では終わらせません(ゲス顔
乞うご期待!