今年限りで現役引退を決めているファビアン・カンチェラーラ(スイス)が金メダルを獲得しました!
骨折を押して出場したトム・ドゥムラン(オランダ)は銀メダル、2016年ツール覇者のクリス・フルーム(イギリス)は銅メダルでした。
表彰式の様子もレポートしています。
コース、出場選手についてはこちらの記事をどうぞ
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気温21度、一部区間では雨も降るため、ウェットな路面コンディションのなかレースが行われました。
コーナーでは転倒する選手もいますし、ダウンヒルでは繊細なハンドリングが要求されます。
第1計測ポイント通過タイム
1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス) 15:11.88
2位 ローハン・デニス(オーストリア) +0.67
3位 ゲラント・トーマス(イギリス) +5.86
4位 トム・ドゥムラン(オランダ) +14.47
5位 トニ・マルティン(ドイツ) +15.99
6位 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン) +19.07
7位 クリス・フルーム(イギリス) +19.48
8位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア) +19.75
9位 ヨン・イザギーレ(スペイン) +21.04
10位 マチェイ・ボドナール(ポーランド) +28.26
第1計測ポイントまでの区間には、最大斜度24%に達する激坂を含みます。
クライマー寄りの選手たちは、ここでアドバンテージを稼ぎたいところでしたが、トーマスは好タイムを記録する中、フルームが区間7位といまいちな滑り出しです。
カンチェラーラは、全開の走りのように見えました。実際に、次の区間ではタイムを落としているので、なかなか厳しいように見えたのですが…。
デニスも非常に良いタイムです。
第2計測ポイント通過タイム
1位 ローハン・デニス 28:47.05
2位 トム・ドゥムラン +16.91
3位 ヨナタン・カストロビエホ +21.92
4位 ファビアン・カンチェラーラ +24.26
5位 クリス・フルーム +24.64
6位 ゲラント・トーマス +28.56
7位 ヨン・イザギーレ +31.67
8位 プリモシュ・ログリッチ +41.35
9位 マチェイ・ボドナール +45.27
10位 トニ・マルティン +50.07
カンチェラーラが急に失速しました。この区間だけでデニスから24秒遅れてしまいました。
ドゥムランは変わらず、良いペースで区間2位でした。
そして、フルームも悪くないペースで、少し順位を上げます。
第3計測ポイント通過タイム
1位 ファビアン・カンチェラーラ 48:30.45
2位 ローハン・デニス +17.97
3位 トム・ドゥムラン +25.74
4位 クリス・フルーム +32.77
5位 ヨナタン・カストロビエホ +39.76
6位 ヨン・イザギーレ +1:10.44
7位 マチェイ・ボドナール +1:12.60
8位 ゲラント・トーマス +1:14.44
9位 プリモシュ・ログリッチ +1:25.35
10位 ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル) +1:29.63
周回コースの2周目に入ります。
フルームが1周目よりも速いペースで、第2計測から第3計測にかけての区間タイムは2位と、徐々にペースを上げてきました。
それ以上に凄まじいペースアップを見せたのがカンチェラーラです!
デニスとドゥムランに対して、40秒以上タイムを奪う好走を見せ、区間タイム1位で第3計測も1位で通過します。
さあ、いよいよフィニッシュへ向けてというところで、ローハン・デニスにメカトラが発生しました。
どうも、TTバーの変速スイッチにトラブルがあったように見えました。
バイク交換となり、痛恨のタイムロスとなってしまいました。
フィニッシュタイム
1位 ファビアン・カンチェラーラ 1:12:15.42、45.255km/h
2位 トム・ドゥムラン +47.41、44.766km/h
3位 クリス・フルーム +1:02.12、44.616km/h
4位 ヨナタン・カストロビエホ +1:06.08
5位 ローハン・デニス +1:10.24
6位 マチェイ・ボドナール +1:50.47
7位 ネルソン・オリヴェイラ +1:59.85
8位 ヨン・イザギーレ +2:06.17
9位 ゲラント・トーマス +2:37.43
10位 プリモシュ・ログリッチ +2:39.74
デニスはバイク交換の影響は大きかったようで、一気にタイムを落としてしまい、5位でした。
ツイてなかったとしか言いようがない、悪夢のようなレースとなってしまいました。
カストロビエホは、終始自分のペースで走って、最終的に4位でゴールしました。
フルームは最終区間でタイムを落としてしまい、ドゥムランを逆転することは出来ませんでした。
しかし、4秒差でギリギリ3位でメダル獲得です!
ドゥムランも、最後で若干ペースを落としてしまい、カンチェラーラに追いつくことが出来ませんでした。
それ以上に良い走りを見せたのが、カンチェラーラでした!
有終の美を飾る、見事な金メダル獲得です!
フィニッシュ後の様子
ボドナールが、滑っている姿が世界中に中継されていて、ちょっと笑っちゃいました。濡れた地面にクリートは滑りやすいですからね〜。
最終走者であった、フルームのゴール直後です。
この時は、「う〜ん…」と言った様子でした。
ドゥムランは、地面に横たわって、めちゃくちゃ悔しそうにしています。
まさに放心状態です。骨折しながら銀メダル獲得とか、とても素晴らしい結果だと思いますが、本人はとうてい納得できないのでしょう。
優勝が決まった瞬間のカンチェラーラ(赤い服)です。スタッフと抱き合って喜びを爆発させます。
こみ上げてくるものがあったのでしょう。涙を浮かべている姿が印象的でした。
表彰式・メダル授与式
カンチェラーラは飛び跳ねながら、表彰台へと登ります!
北京五輪以来の金メダルです。
とにかく嬉しそうです。
そして、スイス国歌が流れます。その時のカンチェラーラの表情の変化をどうぞ。
↓
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良い表情ですね!
最後は3人仲良く記念撮影です。
フルームは笑顔も多く見られ、「まあ、こんなものかな」という感じでしたが、ドゥムランは最後まで悔しそうでした。
カンチェラーラが見事に有終の美を飾り、思い残すことなく現役を退くことが出来るでしょう。
感慨深いレースとなりました。
これでリオ五輪のロードレース部門は終了です。
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)、ブラッドリー・ウィギンス(イギリス)が、トラック部門にエントリーしているので、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
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