ゴール前の登りスプリントを制したのはマルセル・キッテル(エティックス・クイックステップ)でした!
決して得意ではないはずの、上り坂でも執念のスプリントが実りました。
中継開始(残り115km地点)
今日の逃げは4名。
マルケル・イリサール(トレック・セガフレード)
アンドレアス・シュリンガー(ボーラ・アルゴン18)
オリバー・ナーセン(IAMサイクリング)
アレクシ・グジャール(AG2R)
という面々です。
Gougeard (ALM), Irizar (TFS), Naesen (IAM) & Schillinger (BOA) have covered 40,5km in hour 2. Ave speed: 42.5 km/h.
— letourdata (@letourdata) 2016年7月5日
Peloton is at +4'50"
昨日と違って、時速42.5キロほどで逃げいているそうなので、プロトンも「カフェに寄ってコーヒーを飲みたい気分」にはならないと思います。
この選手に注目!ジュリアン・ヴェルモト(エティックス・クイックステップ)
エティックス・クイックステップのジュリアン・ヴェルモト(ベルギー)です!
昨日・今日と、集団の先頭で度々牽引役を担っています。
平常時は単独で、時速40キロ台中盤で、数十分間スピードを維持して走ることが出来る力を持っています。
集団コントロール、逃げ集団を捕まえるための牽きも含めて、スプリント勝負・総合を狙うチームにとって非常に重要な役割です。
エティックスには、スプリンターのマルセル・キッテル、総合狙いではジュリアン・アラフィリップ、ダン・マーティンといるため、ヴェルモトは縁の下の力持ちとして、渋い活躍をすることでしょう。
かつての、イェンス・フォイクトや、ファンアントニオ・フレチャ、そして今ツールにも出場しているアダム・ハンセンのように、名ルーラーとして今後活躍していくことが期待されます。
中間スプリントは、サガンが先着
逃げ集団からは、シュリンガーが加速して1位通過。他の3名は興味なしと言った様子でした。
集団では、昨日と同様にエティックス・クイックステップがトレインを形成して、取りにかかります。
ペーター・サガン(ティンコフ)、マーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ)、アンドレ・グライペル(ロット・ソウダル)は、アシストを一人も出さずに、エティックストレインにタダ乗りしています。
エティックストレインが2台先頭車両を残した状態で、サガンがスプリントを開始します。
結果、キッテルやカヴェンディッシュたちより先着しました。
エティックスは、アシストの消耗具合が気になりますし、キッテル自身の調子もさほど良くないように見えました。
4級山岳ポイントはイリサールが獲得
本日、唯一の山岳ポイントのつく4級山岳にて、イリサールが加速してポイント獲得しました。
と言っても1ポイントで、山岳賞1位のヤスパー・ストゥイフェン(トレック・セガフレード)は4ptsなので、順位への影響はありません。
残り7km地点で逃げ集団を吸収
細く、コーナーの多い道で、先頭は混戦状態が続きます。
中でも、サガンのいるティンコフは集団先頭をキープして危険回避しながら、サガンを好位置に引き上げていきます。
残り1kmを切ったあたりで、エティックスが再びトレインを組んで、キッテルを引き上げて来ます。
そうして、残り500mから登りが始まりますが、各チームとも登っていることを感じさせないスピードを保ったままスプリント体勢に入ります。
グライペル、アレクサンダー・クリストフ(カチューシャ)、キッテル、サガンらが加速します!
グライペルが失速し、クリストフとサガンが伸び悩む中、キッテルが先頭で残り100mを切ったところで、大外からブライアン・コカール(ディレクトエネルジー)が猛烈に追い上げて来ます。
上半身を右に左にブンブン振りながら、必死の形相でもがくコカールが、キッテルに追いついたところでゴール!
昨日に引き続き、非常に際どいゴールとなりましたが、わずかに数cmの差でキッテルがステージを取りました!
コカールの伸びは抜群に素晴らしく、キッテルやサガンに並びうるスプリント力を持っていることを証明できました。今後のステージでもコカールは要チェックですね。
ちなみにラストのスプリントでは、7%の勾配にも関わらず時速50キロオーバーだったようです。
A close finish wins Kittel his 9th @letour stage. His team's hard work to position him well was rewarded! #TDF2016 pic.twitter.com/CnOok0ZqYx
— letourdata (@letourdata) 2016年7月5日
残り100m付近でのコカールの伸びっぷりが凄まじいです。
勾配が7%も無かった可能性もありますが、トップスプリンターたちはちょっとした勾配ならあまり関係ないんだなということもわかったステージでした。
サガンがマイヨ・ヴェールを再奪還!
キッテルは満面の笑みを浮かべています。
インタビューでは『仲間が本当にいい仕事をしてくれた』とアシスト陣の貢献を讃えていました。
キッテルの言うとおり、ここ数日間のエティックスのアシスト陣の働きぶりは素晴らしいです。
それも、キッテルでどうにかステージ優勝をあげたい一心からでしょう。アシストたちも報われる一勝となりました。
サガンは危なげなく総合ジャージをキープしました。
サガンが3位、カヴェンディッシュは8位でした。サガン147pts、カヴェンディッシュ142pts、キッテル137ptsとなり、サガンが再度マイヨ・ヴェールを奪還しました。
敢闘賞は残り7km地点まで逃げ続けたナーセンが獲得しています。
第5ステージは今大会最初の山岳ステージ
カテゴリー山岳6つ登場する山岳ステージとなります。
特に終盤の2級山岳2つが、激坂を含んでいそうな急な斜面に見えます。
スプリンターはまず生き残ることは不可能なステージで、クライマーやパンチャーたちによるステージ優勝争いが見られると思います。
ここまで一度も当たっていないステージ優勝予想ですが、明日こそジュリアン・アラフィリップ(エティックス・クイックステップ)を推したいと思います!
もし、サガンが生き残ることが出来なかった場合、集団の先頭付近でゴールすればマイヨ・ジョーヌ獲得の可能性が非常に高いです。
その高いモチベーションの中でステージ優勝を狙ってくるに違いありません!
他には、脚質だけで見れば、アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)、サイモン・ゲランス(オリカ・バイクエクスチェンジ)あたりも有力かと思われます。
総合勢によるバトルがいきなり勃発する可能性もあるので、クリス・フルーム(チームスカイ)、ナイロ・キンタナ(モビスター)、リッチー・ポート(BMCレーシング)、ティージェイ・ヴァンガーデレン(BMCレーシング)、ファビオ・アル(アスタナ)、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)あたりも優勝の可能性は十分あると思います。
今日も昨日も、ラスト数キロ以外は退屈なレースでしたが、明日は違います。
いよいよ総合争いに向けて、各チームがどんな動きを見せるのか大注目のステージとなることでしょう!
明日の第5ステージは、スカパー・J Sportsで20:55中継開始予定です。
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