※選手の脚質や役割、実績、レビューを記載しています。
絶対的なエースであるアルベルト・コンタドールと、世界チャンピオンであるペーター・サガンを擁するティンコフです。
コンタドールはイエロージャージ(マイヨ・ジョーヌ、総合優勝)を狙い、サガンはグリーンジャージ(マイヨ・ヴェール、ポイント賞)を狙います。
※ブエルタ・ア・エスパーニャ2016の出場選手情報については
ブエルタ・ア・エスパーニャ2016 出場選手一覧&チームレビュー
をご覧ください。
(2016.7.6更新)
ティンコフ、ツール出場メンバー
31、アルベルト・コンタドール
http://www.tinkoffteam.com/news/alberto-contador-wins-stage-4-tirreno/
国籍:スペイン
年齢:33歳
脚質:オールラウンダー
独走力 ★★★★☆
TT力 ★★★★☆
登坂力 ★★★★★
スプリント ★★★☆☆
『ブエルタ・ア・エスパーニャ』出場3回すべて優勝、『ジロ・デ・イタリア』出場3回すべて優勝*1、『ツール・ド・フランス』出場8回うち3回優勝*2という3大グランツール完全制覇を成し遂げる圧倒的な結果を残しています。
そのうち、2回がドーピング違反で優勝剥奪されていますが、それでも7度のグランツール制覇は、現役最多です。
今シーズン限りで現役引退を公言してスタートしたシーズンでしたが、『パリ〜ニース』総合2位、『ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ』総合2位、『バスク一周レース』総合優勝とシーズン序盤から非常に調子が良かったためか、引退撤回となりました。
そうして臨んたツール前哨戦となる『クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ』では、プロローグの山岳TTで爆発的なスピードを見せてステージ優勝し、コンタドール絶好調かと猛アピールしていました。
しかし、ステージが進むと山岳で遅れる場面も目立ち、結果的に総合5位でフィニッシュし、やや不安の残る結果となりました。
ツール直前のスペイン選手権は風邪で欠場したとのことですが、風邪の影響はツール本番には影響ないと思われます。
ライバルのクリス・フルーム(チームスカイ)とナイロ・キンタナ(モビスター)と比較すると、登坂力では劣るため、どうしても二人と比較すると厳しいように見えます。
それでも、実績は圧倒的です!経験を活かし、マイヨ・ジョーヌ奪還に挑みます!
32、ペーター・サガン
World champion Peter Sagan wins Gent-Wevelgem for second time | Cycling News | Sky Sports
国籍:スロバキア
年齢:26歳
脚質:パンチャー、スプリンター
独走力 ★★★★★
TT力 ★★★☆☆
登坂力 ★★★☆☆
スプリント ★★★★★
ツールでは、4年連続マイヨ・ヴェール獲得中と、無敵のパンチャーとして大活躍しています。
なおマイヨ・ヴェールの最多獲得記録はエリック・ツァベル(ドイツ)の6回で、1996〜2001年にかけて6年連続獲得しています。
この偉大なる記録に向けて、アルカンシェル*3を着て走ります。
今シーズンは、ここまで7勝をあげています。『ヘント・ウェヴェルヘム』優勝、『ロンド・ファン・フラーンデレン』優勝、『ツール・ド・スイス』第2・3ステージ優勝&ポイント賞獲得、『ツアー・オブ・カリフォルニア』第1・4ステージ優勝&ポイント賞獲得、と内容も非常に良いです。
サガンの特徴はバイクコントロールが抜群にうまいことです。特にダウンヒルの技術は目を見張るものがあります。
今大会はダウンヒルを駆け下りてからゴールするステージがいくつもあるため、サガン向きのステージと言えるかもしれません。しっかり、山を登れればの話ですが。
マイヨ・ヴェール獲得に向けて、死角なしと言っても過言ではありません。ライバルはマイケル・マシューズ(オリカ・バイクスエクスチェンジ)、アレクサンダー・クリストフ(カチューシャ)でしょうか。
ただひとつだけ注文をつけるなら、ツールでのステージ優勝が2014年・2015年ともに0回だったことです。
ミスターNo.2なんて呼ばせないためにも、今大会はステージ優勝もして、マイヨ・ヴェール獲得してほしいものです。
33、マチェイ・ボドナール
Maciej Bodnar połamany - Rowery.org
国籍:ポーランド
年齢:31歳
脚質:TTスペシャリスト、ルーラー
独走力 ★★★★☆
TT力 ★★★★☆
登坂力 ★★☆☆☆
スプリント ★★☆☆☆
グランツールには9回出場し全て完走しています。最高順位は2014年ツールの112位です。
TTスペシャリストとして、国内のTTチャンピオンのタイトルを4回獲得しています。
ルーラーとして平坦路をしっかり牽ける選手は、ボドナールしか連れて来ていませんが、裏を返せばボドナールへの信頼の証でしょう。
貴重な平坦路のアシストとして、大車輪の活躍が期待されます。
34、オスカル・ガット
Gatto takes slice of glory at Ruta del Sol | Cyclingnews
国籍:イタリア
年齢:31歳
脚質:スプリンター、クラシックスペシャリスト
独走力 ★★★☆☆
TT力 ★★☆☆☆
登坂力 ★☆☆☆☆
スプリント ★★★★☆
キャリア最大の勝利は2011年ジロ第8ステージ優勝、2013年『ドワーズ・ドアー・フラーンデレン(HCカテゴリー)』優勝です。
ちなみに、今はモナコに住んでいるそうです。
長いキャリアの中で、ツールは初出場になります。
求められる役割はペーター・サガンのリードアウト役です。
35、ロバート・キセロフスキー
Kišerlovski - spreman za poletanje u Saxo-Tinkofu | Bicisvet
国籍:クロアチア
年齢:29歳
脚質:クライマー
独走力 ★★☆☆☆
TT力 ★☆☆☆☆
登坂力 ★★★★☆
スプリント ★☆☆☆☆
グランツールは8回出場し、2010年ジロと2014年ジロで総合10位となっています。
しかしながら、チームTTでのステージ優勝はありますが、個人でのメジャーレースでの勝利経験はありません。
山岳アシストとしての活躍が期待されます。
36、ロマン・クロイツィゲル
国籍:チェコ
年齢:30歳
脚質:オールラウンダー
独走力 ★★★☆☆
TT力 ★★★☆☆
登坂力 ★★★★☆
スプリント ★★☆☆☆
若い頃から、将来のグランツールレーサーと期待されてきましたが、伸び悩んでいました。
2011年はエースとしてグランツールに臨み、『ジロ・デ・イタリア』総合5位までは良かったのですが、ツールでは総合112位とまさかの大失速でした。
その後、コンタドールのアシストとして出場したツールでは2013年総合5位です。
エースよりアシストの方が性に合っているのか、コンタドールの2015年ジロ優勝に大きく貢献しました。
今大会でも、ラファル・マイカとともに、コンタドールの頼れる山岳アシストとしての活躍が期待されます。
37、ラファル・マイカ
Tour de France: Chris Froome retains lead as Rafal Majka wins | Cycling News | Sky Sports
国籍:ポーランド
年齢:26歳
脚質:クライマー
独走力 ★★★☆☆
TT力 ★★★☆☆
登坂力 ★★★★★
スプリント ★★☆☆☆
2015年ブエルタ総合3位、2016年ジロ総合5位と、グランツールレーサーとして好成績を残しています。
ツールでは通算3勝をあげ、2014年はマイヨ・アポワルージュ(山岳賞)を獲得しています。
直近では、ポーランドナショナルチャンピオンのタイトルを獲得し、ポーランドチャンピオンジャージを着て走ります。
抜群の登坂力を持っているので、コンタドールからすれば、これほど頼もしい山岳アシストはいないと思います。
ライバルのチームスカイやモビスターの強力なアシスト陣に十分対抗出来る力をもった選手で、わたしは密かにマイカの活躍に期待を寄せています。
今大会は山岳ステージが多いコースレイアウトなので、コンタドールはマイカとクロイツィゲルと共に、スカイ・モビスターを打倒できるか注目です。
38、マッテーオ・トザット
EUROTRASH Lombardia Monday! - PezCycling News
国籍:イタリア
年齢:42歳
脚質:クラシックスペシャリスト
独走力 ★★★☆☆
TT力 ★★☆☆☆
登坂力 ★★☆☆☆
スプリント ★★★☆☆
グランツール出場33回の超大ベテラン、御年42歳です!もちろん今大会の参加選手の中で最年長です。
ツールでは10年前の2006年にステージ優勝しています
平坦ステージでの集団牽引を含め、あらゆるアシストをすることが求められる役割です。
39、ミカエル・ヴァルグレン
国籍:デンマーク
年齢:24歳
脚質:パンチャー、クラシックスペシャリスト
独走力 ★★★☆☆
TT力 ★★★☆☆
登坂力 ★★★☆☆
スプリント ★★★☆☆
2012・2013年と『U-23リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ』を連覇し、2014年にはデンマークナショナルチャンピオンに輝いています。
2014年には来日し、『ジャパンカップ』4位という結果も残しています。
今シーズンは『アムステルゴールドレース』で、あわや優勝かという好走を見せてくれました。
24歳とまだ若く、これからが期待されます。
コンタドール中心のメンバー構成、サガンは発射台なしでも勝てるスプリンター
サガンに対して、スプリンター寄りの脚質を持った選手はガット一人だけです。
もちろんヴァルグレンやトザットがトレインを形成して番手を上げるアシストはすると思います。
それよりは、山岳に強い選手を揃えてコンタドールの総合優勝を狙うことがチームとして最優先という風にも見えますし、サガンはアシストなくても勝っちゃうでしょ?という信頼なのかもしれません。
それくらいサガンの強さは今シーズンは圧倒的なものがあります。
5年連続マイヨ・ヴェール獲得なるか注目です!
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