最終更新日:2021年10月13日
ロードバイクに乗る人も、折りたたみ自転車に乗る人も、マウンテンバイクに乗る人も、クロスバイクに乗る人も、最も悩ましい問題が自転車の鍵でしょう。
- ちょっとコンビニで補給をしよう
- 軽く食事をするためにお店に入った
- スーパーの駐輪場だし、公共の目がある場所だから大丈夫だろう
- 地球ロックしているから大丈夫だろう
- 今日は飲んじゃったし、家まで自走するのだるいから、路駐して帰っちゃおう
後半は、そもそも交通ルール違反・マナー違反なのでダメですが、
これくらいなら大丈夫だろう!という状況で高価な自転車が窃盗にあった経験ありませんか?
ないですかね。
わたしはというと、、、、
あるんです!!(涙涙涙
そんな経験を踏まえて、自転車の鍵についてのリテラシーは否が応でも高まりました。
さらに、先日ブロンプトンを発注したショップの店員さんから、マジでおすすめな鍵を教えてもらいました!
そのことを踏まえ、最強の鍵について、とくと綴りたいと思います。
わたしの愛車が盗難された経緯について簡単に
通勤手段として活用していました。
職場の近く、路上駐輪禁止区域外の、ガードレールまたは細い電柱に地球ロックしていました。*1
使っていた鍵はコチラです。
フレーム・ホイールに通して、ガードレールまたは電柱に地球ロックしてました。
鍵かけているんだぜ!アピールが目的でしたが、ある日こつ然とあるべき場所から姿カタチが消えていたのです。
プロの手にかかれば安い鍵は、ものの数秒で切断・破壊可能
上のような安いワイヤーロックなんて、絶好の鴨です。
工具をつかってパチっと切断すれば、ものの数秒で試合終了ですよ。
普通に鍵を外すくらいの時間で出来ちゃいます。
この動画のようにイギリスでは、日常茶飯事のようにパチッと切断して、そのまま乗って立ち去る窃盗がザラに行われているようです。
やわい鍵では、抑止力にすらならないことがよくわかります。
よって、自転車に鍵をかける際は、以下の2つのポイントが重要です。
- 鍵自体が頑丈であること
- 盗難のプロの目から見て、この鍵はヤバいなと思わせる威圧感があること
この要件を満たす、自転車販売のプロがおすすめする鍵を紹介していきます!
専門ショップ店員がマジでおすすめする最強の自転車の鍵
自転車鍵界最強と言えば、U字ロック!『ABUS Granit X-Plus 540』
「この鍵を見たら、速攻諦めるでしょうね」
と店員さんが語るほどの、見る人が見たら一発で「あ、ヤバい奴だ」と分かる、最強の鍵がコチラ!
サイクルロック界の範馬勇次郎です。
このU字ロックをかけた自転車の背後の空間は、きっと歪んでいることでしょう。
ちなみにABUS(アブス)社は、ドイツの鍵メーカーです。
創業は1924年で、現在ではヨーロッパNo.1シェアを獲得しているロックブランドです。
公式サイトを貼っておきます。
先ほどの動画のように海外の自転車窃盗事情はえげつなく、ちょこっと放置したら即盗難と思っていいレベルだそうで。
自転車の鍵うんぬん以前に肌身離さないためにも、プロンプトンのような折りたたみ自転車が普及するという流れもありますが、
通常のシティサイクル的な自転車がよく普及していることも事実。
そこでABUSの出番だぜ!
生き馬の目を抜くヨーロッパ戦線で最もシェアを獲得している鍵メーカーってだけで信ぴょう性高くないですか?
しかもABUS社の設ける「Security Level」において、この「Granit X-Plus 540」は最高のレベル15です!
ヨーロッパNo.1鍵メーカーの最強の鍵がコチラなのです!
この鍵でダメだったら、もう置く場所が悪いとしか言いようがないですね。
こんな感じで地球ロックしたら、手も足も出ません!
(ABUS公式サイトより)
とはいえ、U字ロックには守りを強化しすぎたがゆえの弱点があります。
それは、ABUSのU字ロックを最強と知らずに、あの手この手で破壊を試みようとすると、鍵とフレームがぶつかり・こすれまくって、フレームに致命的な傷がつく可能性があることです。
そこで、次の鍵の紹介です。
動きに柔軟性のある最強のチェーン鍵!『ABUS Granit City Chain X-Plus 1060』
チェーンに覆いかぶさる布は、まるでタキシードに身をつつんだビスケット・オリバのよう。
マリアという名のロードバイクをやさしく包み込みます。
こちらもABUSセキュリティレベルはMAXの15!
これなら、ガチャガチャやられても、フレームへの影響を軽減出来そうです。
ただ、こちらは2.65kgと重たいです。
先ほどのU字ロックは1.45kgなので、チェーン型はどうしても金具一つ一つを強くするためには重量が重くなってしまうようです。
どちらを選ぶかは使い勝手次第と言ったところでしょうか。
ところが、この両者に共通する弱点があります。
かさばるもしくは重たいため、持ち運びが容易でないことです。
極力荷物を少なくしたい自転車生活において、重いこと・かさばることはなるべく避けたいところです。
そこで次のアイテムが登場します。
折りたたんでコンパクト!でも防御力最大級!『ABUS Bordo Granit X-Plus 6500』
当然のセキュリティレベル15です!
コンパクトなその姿からは想像出来ないような、全てを解き放った時の威光はまるで、範馬刃牙のイメージの中の巨大カマキリのよう。
重量は1.58kgです。
(ABUS公式サイトより)
展開時は、このように元のサイズの6倍ほどの大きさまで広がります。
これでカンペキか!と思いきや、ここまでの3品にも共通する弱点があります。
ホイールまでカバーしきれないということです!
むむむ、となったところで次のアイテムが登場します。
ならば、長くすればいい!『クリプトナイト クリプトフレックス』
堅牢に編み込まれたワイヤーです。
用途に応じて、76cm・120cm・220cmと3種類のワイヤーが展開されています。
まるでジャック・ハンマーが骨延長手術をしたかのように、長さを選択することが可能です。
220cmモデルで、重量は540gと軽量です。
クリプトフレックスは、通常のワイヤーとは編みこみ方が違います。
通常のワイヤーは細い針金のようなものを、何重にもグルグル巻いたものを、さらにグルグル巻くという、ソフトクリームのような巻き方をしています。
メリットは製法が単純なため安く作れることで、デメリットは一定方向に力を入れると切れやすいことです。
クリプトフレックスは、細い針金のようなものが元ですが、単純にグルグル巻くのではなく、ミサンガを編みこむかのように、両方向で巻くようにつくられています。
一方から力を入れた場合でも、刃が通りにくいという特徴を持っています。
なんだ、細いワイヤーだぜ楽勝!と思って切ろうとしたら、あれ?あれあれ?なかなか切れんぞ!という感じで、窃盗から守ることが出来ます。
これだけではワイヤー単品なので、別途南京錠のような役割を果たす鍵が必要です。
さあ!役者は出揃いました。
短いけど堅牢なABUSのロック、そして長さのクリプトナイト。
この両者を掛けあわしたら一体どうなるのでしょうか?
最強の鍵はコレだ!ABUS+クリプトナイトのコラボレーション!
紹介したABUSの鍵3種のうちどれか+クリプトナイトのクリプトフレックスを組み合わせて使うことで、
最強・堅牢な自転車のロックが可能となります!!
フレームはABUSで守り、ホイールをクリプトナイトで守るイメージです。
ハッキリ言って、ABUSは素人にはまず破壊不可能です。
↑ABUSのステマ動画のような構成になっていますが、まともにやったら破壊不能なことが分かります。
まともにやったらというのは、所詮は数万円する程度の金属製品であり、プロが弱点を徹底的に突いた攻撃をすれば堅牢のABUSと言えどもタダではすみません。
ABUSのコンパクトにたためるタイプのBORDOに関しては、継ぎ目の縦からの攻撃に弱いようです。
まあ刃牙のイメージの中の巨大カマキリも弱点を見出した途端に、あっさり倒されましたしね〜。
ただ実際は動画のようにサックリと破壊するのは難しい様子ですので、好んでコレを破壊しようとする窃盗は少ないかと思われます。
ちなみに動画内のBORDOは6000シリーズで、セキュリティレベルが10となっています。
こちらは最強のU字ロックが、サックリと切断されている衝撃的な動画です。
まあ範馬勇次郎も名の知れぬハンターに麻酔弾打ち込まれていたしな、なんて言ってる場合じゃないです。
ここで使われている機材は、これです。
ダイヤモンドカッター!ダダンダン!!*2でお馴染みのあれです。
こんなん街中で使えねえよ!と思いがちですが、『物理的に破壊不可能ではない』ということが自転車の鍵の重要な結論です。
しかし素人でも容易に破壊可能な鍵よりは、素人レベルでは破壊不可能な鍵を選ぶことで安全度は大幅に変わることでしょう。
プロに対してはABUSというだけで避けたくなる本物の抑止力が有効となりそうです。
フレームをABUSで守り、ホイールをクリプトナイトで守る二重ロックが地上では最強の組み合わせで実用的と言えましょう。
突然ですが、高価な自転車を放置してはいけない場所トップ3!
1位、デパート・スーパーなどショッピングセンターの駐輪場
駐輪場は品定めしやすく、人が自転車のそばでガチャガチャしていても不思議ではない空間なので一番危ないです!
2位、自宅の駐輪場
ロードバイクのみならず、可能ならば自室で保管が基本です!
3位、たくさん自転車が止まっている路上
1位と同様の理由で、ガチャガチャしていてもさほど不思議ではないために紛れやすいです!
ちなみに日本国内においては、駐輪場での盗難件数が全体の半分を占めています!
マジ注意だぞ!
結論!良い鍵つけて、変な場所に止めない!
盗まれやすい場所に止めないことが最も肝要です。
今回は海外の都心部という自転車的に治安の最悪な場面を想定して、アイテムを選びました。
国内での使用においては、オーバースペックかもしれません。
ABUSの社員さんいわく「国内ならセキュリティレベル7もあれば十分」と仰ってました。
Uロックタイプなら「Ultra 410」
チェーンタイプなら「TRESOR 1385」
ブレードタイプなら「BORDO 5700」
などのモデルから検討してもいいかもしれません。
程度に応じて鍵の強さを選んでライドに出掛けることが重要かと思います。
通勤に利用して、長時間外に放置する場合は重くても堅牢な鍵を装備すること。
ロングライド等で、郊外の食事処でMAX1時間程度外に放置するレベルであれば、セキュリティレベル7前後の鍵を装備する。
練習ライド等で、放置すると言ってもコンビニに一瞬行くレベルであれば、軽量で堅牢なクリプトフレックスを装備。
と言ったように、駐輪する場所や時間に応じて鍵のグレードを選んで行けばバッチリだと思います。
ともにハッピーな自転車ライフを送りましょう!
(追記)
オランダへ、ブロンプトンと、上で紹介したセキュリティレベル15のABUSのU字ロックを持って旅行して来ました。
現地で出会った人からは必ず「自転車盗難には注意しろ」と言われるくらい、オランダ、特にアムステルダムの自転車盗難は多いです。
結果は、全くの無傷で無事生還しました。
旅行の終盤はどんどん中心地の治安悪そうなところにも積極的に停められちゃうくらいの安心感がありました。
なお、現地の人々に人気だった鍵はダントツで「金属チェーンタイプ」でした。ABUSのチェーンロックもよく見かけました。
ヨーロッパで実績があるという触れ込みに嘘偽り無しです!
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ブロンプトンは構造上、ホイールでもフレームでもどこか一箇所を地球ロックすれば非常に盗難されづらいです。危険な駐輪場でも、比較的安心して止めておけます。
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