最終更新日:2017年12月18日
最近、自転車通勤を始めました。
満員電車を回避できるし、交通費も浮かせられるし、運動にもなるしで、一挙三得くらいの効率の良い試みだと感じています。
ただ単に自転車に乗って通勤するだけでも構わないのですが、より高い運動効果を得る時間にすれば、それまでトレーニングに使っていた時間を他のことに回すことが出来るようになると思いました。
わたしの運動の目的は2つあります。「筋力アップ」と「脂肪燃焼」です。
健康な身体を作るために「筋力アップ」は欠かせませんし、好きなものを食べて生活するためには「脂肪燃焼」が欠かせません。
ところが、「筋力アップ」に効果的な運動と、「脂肪燃焼」に効果的な運動は、微妙に異なります。
その一つが運動時の『心拍数』です。
一般的に最大心拍数の80〜90%程度の運動なら「速筋の筋力アップ」に、70〜80%程度の負荷なら「遅筋の筋力アップ」に、60〜70%程度の負荷なら「脂肪燃焼」に適していると言われています。
したがって、かるーく自転車をこいでいても筋力アップには繋がりませんし、全開でこいでいても脂肪燃焼にはあまり効果がありません。
もちろん、適当に乗っていても筋力アップや脂肪燃焼に全く効果がないわけではありません。せっかく自転車に乗って移動する時間を、効率の良いトレーニングの時間にするためには、心拍数を計測しながらトレーニングした方がいいなと思いました。
そこで、心拍トレーニングに使いやすい心拍数計を探してみました。
心拍数計の使用目的
心拍数計には色々な種類があります。ただ単に心拍数を計測するだけではなく、サイクルコンピュータと連携したり、ライフログを取ったり、Stravaなどのサービスでデータを記録したり、など拡張性が重要だったりします。
この拡張性も機種によって本当に様々なので、わたし自身の心拍数計の使用要件を明確にしたいと思います。
要件その1:トレーニング中の心拍数を出来るだけ正確に、リアルタイムに知りたい
リアルタイムに心拍数の正確な値を確認しやすいかどうかが最も重要視したいポイントです。
要件その2:ロードバイクに乗っている時だけでなく、ランニングなど他のトレーニング中も計測したい
ロードバイクだけでは、どうしても鍛えにくい部位を鍛えるためには、他のトレーニングとも組み合わせたいです。
なので、自転車専用のモデルは避けます。
要件その3:腕時計型の心拍数計がいい
胸に巻いて計測するタイプ(通称:乳バンド)は嫌です。かつて、キャットアイの心拍数も測定できるサイコンを使っていたのですが、バンドを巻くのがひたすら面倒ですし、ゴムが劣化して走行中にズレて来たりとストレスが溜まることが多かったです。
最近では、腕時計のように腕に巻くだけで心拍数を測定できる機種が増えているので、そちらから選びたいと思います。
要件その4:ゆくゆくはサイコンと連携して、サイコン上に心拍数を表示したい
腕時計型の心拍数計のデメリットは、ロードバイクの走行中に数値を確認しにくいということです。
ですが、腕時計型の心拍数計が計測したデータを、リアルタイムでサイコンに飛ばして、サイコンの画面上で表示することが出来る機種があります。
サイコンと連携出来る拡張性は、出来れば確保しておきたいところです。
要件その5:さらにゆくゆくはパワーメーターを使いたいので、パワーメーターとサイコンの互換性も考慮した機種が良い
ロードバイクに乗るための力を身につけたいなら、心拍数計よりもワット数を計測するパワーメーターを用意するほうが重要です。わたしは今のところは大会に出ようとか考えていないので、単純に自分の身体の健康を維持・向上出来れば十分です。
ですが、もし大会に出たいとかロードバイクにおける速さを追い求めはじめた時に、パワーメーターと連携出来るサイコンと、手持ちの心拍数計が連携出来た方が、無駄な出費が減ると思うので、この点も考慮しておきたいです。
要件その6:スマートウォッチ的な使い方出来なくても構わない
スマホと連携して、メールの受信などの通知を心拍数計で受け取ることが出来る機種もあります。(むしろ、通知を受け取ることが出来るスマートウォッチに心拍計測機能が搭載されている機種、と言った方が正確でしょうか)
わたしは、この機能はさほど欲してはいないので、スマホとの連携機能が少なくても問題ありません。
要件その7:ライフログ的な使い方は、出来るに越したことないけど必須ではない
24時間計測して、安静時の心拍数から睡眠中の心拍数まで記録することが出来る、いわゆるライフロガーとしての心拍数計もあります。
調べてみて分かったことは、ライフログ機能を強化すると、トレーニング中の計測機能が弱体化する傾向にあることです。
限られた電池容量で、24時間常に計測するわけには行かず、計測間隔が大きいとリアルタイムでの数値の反映が遅れる機種もあるようです。もしくは、リアルタイムで数値が確認しにくいとか。
あぶはち取らずな面になっているので、ライフログよりトレーニング中の計測を優先させたいと思います。
ロードバイクを使った心拍トレーニング最適な心拍数計をピックアップ
以上の要件を元に、いくつか機種をピックアップしてみました。
POLAR(ポラール) A370
トレーニングでの使用を重点に置いた設計がされており、心拍数を一目で見やすい大画面表示と心拍ゾーンごとに違う色で表示する機能が嬉しいところです。
さらに、常時画面点灯する機能がついている点も重要です。その分、電池は消耗しますがライフログ的な使用を目的としなければ都度充電することは苦ではありません。
旧機種のA360ではなぜか搭載されていなかったサイコンとの連携機能も搭載されました。
Bluetooth接続によって、Polarのサイコンに心拍数を表示することが可能です。
デメリットをあげると、ゴム製のバンドが千切れやすいというレビューが散見されることです。そして替えバンドは、言うほど安くはないので、腕に取り付ける際は無理に引っ張ったりしないようにして使いたいところです。
なお、ポラールのサイコンと互換性のあるパワーメーターは、『Stages Power』や『Powertap』などが使えるようですが、『Pioneerのペダリングモニター』には対応していないようです。
※ソース:Can I use 3rd party power sensors with my Polar device?
GARMIN(ガーミン) vivosmart HR J
ANT+接続することにより、ガーミン製のサイコンに心拍数を表示できるなど連携はバッチリです。サイコンとしての評判は、ポラールよりガーミンを推す声が多いので、拡張性はこちらのvivosmartに軍配が上がることでしょう。
ですが、気になる点は心拍数の測定間隔が大きいことです。
こちらの記事によると、活動量計モードとして使用中は最小でも数十秒間隔でしか心拍数を測定してくれないようです。
ガーミンのサイコンにデータを転送する、心拍数転送モードでは1秒間隔に計測してくれるようですが、単体としての使用だと、わたしの使用要件を満たすことが出来ません。
ライフロガーとして単体で使用する分には申し分ないですが、トレーニング目的での単体使用は厳しいように思いました。
ただし、ガーミン製サイコンと連携した場合は、腕時計型の心拍数計に加えて、様々なライフログも取得出来るハイブリッドな一台になることでしょう。
問題は、ガーミン製のサイコンはそこそこ値が張ることなんですよね…。
GARMIN(ガーミン) vivoactive J HR
腕時計型心拍数計のデメリットの一つ(というよりは、光学式心拍センサーの弱点)である、急激な心拍上昇の測定には弱点を抱えているようですが、vivosmartのように測定間隔が広いようなことはないようです。
屋外でも視認しやすい液晶を使っている点も重要です。
トレーニングから、ライフログ計測、GPS機能、スマートウォッチとしての機能を全て搭載している高性能な一台です。今回ピックアップした中では、最も値が張ります。
せっかくガーミンを購入するなら、GPS搭載型の方がガーミンらしさを感じ取れるのではないかと思います。また、今はiPhoneを使って、Stravaで走行ルートのログを取っているのですが、起動し忘れや電池の消耗が気になるところでした。GPSウォッチで測定出来る方が、起動忘れを防ぎやすいですし、スマホの電池消耗も避けられます。
本機種が高性能すぎるゆえに、もしガーミン製サイコンを導入した際に、本機種の機能を持て余しかねない点は懸念点ではあります。
GARMIN(ガーミン) ForeAthlete 235J
心拍センサーはvivoactive J HRと同様のものを搭載しているようです。ForeAthlete 235Jは、ランニングとサイクリングでのトレーニング使用に特化したモデルとなっています。
トレーニングメニューをセットすることが可能です。例えば、『1kmダッシュしたら、心拍数が120以下になるまでクールダウンした後に、また1kmダッシュする』みたいな、距離・負荷・時間・心拍数などを考慮したインターバルトレーニングメニューを組んで、効率的なトレーニングをサポートしてくれます。
さらにVO2Max(最大酸素摂取量)を測定できるので、ランニングやサイクリングの体力向上の一つの指標として使うことも可能です。
ライフログデータを採取する、というよりはトレーニングのために必要な機能を満載したモデルだといえましょう。
もちろん、ガーミンのサイコンに計測した心拍数を転送することも可能です。
GARMIN(ガーミン) ForeAthlete 35J
ForeAthlete 235Jの廉価版モデルです。
235Jはフルカラー液晶でしたが、こちらはモノクロ液晶となっています。
搭載している心拍センサーは、恐らくvivoactive J HRやForeAthlete 235Jと同様のものを使っていると思われます。(裏面のセンサーの配置と数が一緒なので)
235Jにある、トレーニングメニューの設定やVO2Maxの測定は出来ず、心拍測定やGPS測定機能に絞っている一台です。
ガーミン製サイコンへ心拍データを転送することは、もちろん可能です。
デザインも235Jに比べると、シックな印象になっており、普段使いもしやすそうです。
MIO Alpha 2
あまり聞き馴染みのないメーカーの製品ですが、性能は十分なものを持っています。ポラールとガーミンと比べても、安い価格で入手出来ることも嬉しいところです。
こちらもサイコンと連携して、心拍データを転送することが出来ますが、通信規格がBluetoothのみとなっているので、ガーミン製サイコンと連携することが出来ません。
対してポラール製サイコンはBluetooth規格となっているため、理論的には連携可能なようですが、実際に接続出来るか不明です。
ただし、キャットアイのBluetooth規格のサイコンとは連携可能なようです。(※ソースはこちら)
そのため、同じBluetooth規格のパワーメーターとも連携可能で、ワット数の測定も出来るようです。
ですが、そこまでしてMio Alpha 2とキャットアイのパドローネに拘る理由がなければ、ガーミンのvivosmartとガーミン製サイコンの組み合わせに劣るよな、という印象です。
心拍数計単体として見るなら、コスパの良い一台だと言えましょう。
MIO FUSE
上記3機種と違って、液晶画面ではなくLED表示による数値表示となっている点が最大の特徴です。心拍数のみを表示するという機能に特化しています。
通信規格はBluetoothとANT+の両方を備えています。なので、ガーミン製サイコンに心拍データを転送することが可能ですし、一説によるとポラール製サイコンとも連携できるとのことです。(※ソースはこちら)
今回ピックアップした中では最安値であり、BluetoothとANT+どちらの規格も搭載しているので、拡張性に富んだ一台と言えましょう。
わたしの使用要件においては、目立った欠点も見当たらないので、こちらも有力候補になっています。
まとめ
ゆくゆくはポラールやガーミンの高機能なサイコンの購入を検討することもあるかと思います。
その際に、どうせなら腕時計型心拍数計と連携できた方がいいでしょう。
となると、腕時計型心拍数計選びは、ゆくゆくポラールとガーミンのサイコンのどちらを使うのか、という分水嶺になります。
プロ選手も多用している実績や、レビュー・周囲の評判を見る限りではガーミンの方が良いと思います。
ペダリングモニターセンサーでお馴染みのパイオニア製のサイコンは、ガーミンと同じくANT+規格に対応しています。
そのため、現時点でポラールやガーミンなどこだわりがないのであれば、ANT+規格に対応した腕時計型心拍数計を選んだ方が幸せになれるように思います。