あきさねゆうの荻窪サイクルヒット

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わたしの人生を大きく前進させる影響を及ぼした本で打線組んだ!

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読書とは、他人の人生の追体験することです。

著者が何年、何十年とかけて積み上げてきた見識の中で、最も重要なエッセンスのみをまとめたものが『本』です。

古来から学問とは先人の見識の上に、新たな見識を積み上げて作られてきたものです。

ピタゴラスやユークリッドの時代の数学者たちが生涯かけてまとめあげた幾何学の大半は、わたしたちは中学生の時に学ぶことが出来ます。

ピタゴラスやユークリッドは素晴らしい人物ですが、当時の超最先端の学問ですら、現代では中学生レベルで理解出来ることだったりするわけです。

個人で体験できること、覚えられることには限りがあります。個人がゼロから独力で積み上げていると、生涯かけても中学生レベルで終わってしまう可能性があるということです。

ならば、先人の見識を借りて、一気に大学生・社会人レベルまで引き上げたいじゃない?ということで、わたしは読書をします。

人生の大先輩方に比べれば、まだまだペーペーのわたしが『人生に影響した本』なんぞ、大それたことを申しておりますが、わたし自身の振り返りとして記録しておきたいだけなので、お手柔らかにどうぞ。

1、ライト、『フィンランド豊かさのメソッド』

これは、わたしが初めて買ったビジネス書です。

それまで読書習慣が無かったわたしが、この本をきっかけに年間100冊以上は読むようになりました。

社会福祉が充実している印象のフィンランドですが、1990年代は15%を越える失業率に悩まされ、1900年に1400億ドルあったGDPが、1993年には900億ドルと大幅に悪化してしまいました。

たった10数年前のフィンランドは経済危機の真っ只中だったのです。

2008年にGDPは2800億ドルと、最高値を記録します。ノキア、Linuxを生み出し、15年で見違えるような経済国へと変貌を遂げただけでなく、OECD学力到達度調査では世界一になるなど、奇跡的とも言える復活を遂げました。

なぜ、劇的に復活することが出来たのか、本書に書かれていますし、とにかく北欧に旅行したくなる一冊です。

2、セカンド、『宇宙は本当にひとつなのか』

クリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』を見る前に、本書を読んで欲しいなと思う一冊です。

というより、わたしは本書を読んでいたおかげで、『インターステラー』を見て号泣するほどに感動しました。映画とか、本とか読んでも、滅多に泣くことのないわたしが号泣です。

更に本書を読むことで、

・問題の解決策を、すぐ発見できるようになる
・他の人の違いを受け入れることが出来る
・小さなことでくよくよしなくなる

など、様々な副次的な効果がありました。

なにゆえ『宇宙』を知ることで、このような体感が得られるのかと言えば、わたしたちの存在そのものが宇宙であるからです。

ということを理解するためにも本書は非常におすすめです。

※参考:【宇宙ヤバい】『宇宙は本当にひとつなのか』村山斉 - あきさねゆうの荻窪サイクルヒット

3、センター、『行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅』

自転車の無限の可能性を教えてくれた一冊です。

紀行文としても素晴らしく、普通に生活していたら絶対に行きたいだなんて思うことが無かったであろう、グアテマラやエストニアに行きたくなりました。

強盗に襲われたり、マラリアに感染したり、日本では考えられないトラブルに巻き込まれるドタバタ劇を、その情景が目に浮かぶようなリアルな描写で書かれているので、恐ろしくなります(褒め言葉)。ギニアやブルキナファソ、ペルーやアルゼンチンの郊外には絶対に行きたくないなと思いました(褒め言葉)。

そして、本書を読んだことで、自分が世界一周をしたいとは思わなくなりました。

まさに他人の人生の追体験。わたしは会社を辞めて、9万5000kmを走ることなく、世界一周の感動的な体験をした気分になったのです。

4、ファースト、『坂の上の雲』

秋山真之、秋山好古、正岡子規を中心に、明治維新を遂げた新興国家・日本が、日露戦争で世界最強の大国ロシアをいかにして打ち破ったのかを描いた作品です。

もうね、わたしの人生における四番打者ですからね。わたしに与えた影響は計り知れません。

日露戦争から110年しか経っていない事実に震えます。

おじいちゃん、ひいおじいちゃんくらいの世代がリアルタイムで体験した時代に、まさに国家存亡を賭けた戦いがあったことに、感動・感銘・驚愕といった単語では言い表せないものが詰まっています。

あえて、あえて一言で表現するなら『人生そのもの』です。

※参考:偉大なる人物・秋山真之を知ろう!『坂の上の雲』は日本人必見の一冊。 - あきさねゆうの荻窪サイクルヒット

5、キャッチャー、『今この世界を生きているあなたのためのサイエンス』

2011年3月11日、東日本大震災によって、多くの人々が経験したことのない感情を抱いたに違いありません。

当時、都内のビルで仕事をしていたわたしは、窓から見える六本木の高層ビルの数々が、目の錯覚かと思えるほどにグニャグニャに揺れていた光景は忘れられません。

そして、福島第一原子力発電所事故が起きました…。

放射能による被害に、人々は怯え、あることないこと騒いでいたことが昨日のように思えます。原発反対の標語が、政治活動の中心に躍り出たのも、この時からです。

ただ、放射能が一体どのような性質を持ったものであるか。また原子力発電の原理、最新の技術について理解していた人はどれくらいいたのでしょうか?

無用にマスコミが煽るなかで、声高に原発反対を謳う政治家の言葉の担保はどこにあったのでしょうか?

本書は2010年9月に発売されました。たまたま書評ブログで存在を知り、面白そうと思って、わたしは読みました。

テロリズム、エネルギー問題、原子力、地球温暖化などの、当時もタイムリーな話題を物理学者である著者が『科学初心者』『知識ゼロ』の人を対象に書かれた本です。

誰かが危ないと言ったから危ないと思うのではなく、これこれこういう理由で危ないと思う、と自分で判断出来るようにならないと、いつまでもマスコミや会社の言いなりで、他人に支配される人生を送ることになるでしょう。

何かも自由にはなかなか出来ない日本国内で、せめて頭の中くらいは自由でありたいです。ならば、明確な根拠を自ら見つける努力が必要ではないかと、わたしは思います。

6、サード、『部屋を活かせば人生が変わる』

本書の言う通りに自宅を改造した結果、明らかに調子が良くなりました。

仕事面、私生活、そしてこのブログ。全てが好調です。

本書の前書きを引用します。

この3日間、掃除機をかけていない

シーツを1週間以上交換していない

シンクに汚れた食器がたまっている

本棚にはギッシリと本が詰まっている

ひとつでもあてはまるなら、あなたの部屋は、あなたの人生の邪魔をしています。すぐに部屋を変えましょう。

しかし、勘違いをしてはいけません。

変えるのは「部屋」であって、「あなた」ではありません。なぜなら…

部屋が変われば、あなたの意思は自然に強くなり、眠っていた能力が引き出されてくるからです。

そして、片付け本にありがちな「精神論」や「捨てるノウハウ」みたいな話を展開するのではありません。

部屋に「流れ」をつくり出す方法論が書かれています。

その通りに部屋をつくった結果、非常に快適で過ごしやすく、今ではどこよりも自分の部屋が最も集中出来る空間となりました。

いわゆる『片付け本』を何十冊を読んで来ましたが、本書が最も効果がありました。

7、ショート、『それでも自転車に乗り続ける7つの理由』

自転車行政・道路交通法に関する近代史と言った一冊です。

  • なぜ、ママチャリが普及したのか?
  • なぜ、自転車は歩道を我が物顔で走るようになったのか?
  • なぜ、自転車は車道の左端を走らなければならないのか?

これらの疑問に、自転車の普及の歴史や法律の整備の過程とともに、事細かに解説をしてくれています。

自転車のことを、より深く追求したい方にとっては必読の一冊と言えましょう。

8、DH、『アムステルダム 裏の歩き方』

オランダという先進国の首都の実態が、よく分かる一冊です。

実態と書きましたが、『こんな地上の楽園があったんだ』『シャングリアなのか!?』という意味合いです。

風車の国、ゴッホやフェルメールを生んだ美術大国、ミッフィーちゃん、サッカー、コロッケ…などがオランダの一般的なイメージでしょう。

わたしが実際に行って感じたことは、『自由の国』だということです。

本物の『自由』を感じたいなら、アムステルダムに行くといいです。その際、本書が死ぬほど役に立つに違いありません。

9、レフト、『7つの制約にしばられない生き方』

『レバレッジ・リーディング』や『ノマドライフ』でお馴染みの本田直之さんの著書です。

わたしはこの方が提唱している『デュアルライフ』という考え方がとても好きで、著書の大半は読み込みました。

中でも、最も心を揺さぶられた一冊が本書です。

7つの制約とは『時間・場所・人間関係・お金・働き方・服装・思考』のことです。

一言で言えば『常識を疑え』ってことなんですけど、本田直之さんの良いところは『これが正解だ!』みたいな押し付けを一切しないことです。

自分はこう思っていたけど、今はこう思うようになった。という経緯が、よく分かるように書かれているので、嫌らしさを感じませんし、自分が否定された気持ちにもなりません。

1万円起業』という本にも書いてありますが、結局起業や独立、もっと言えば経済的な豊かさと確固たる自立を手にするためには、「○○をしたらいい」というノウハウより「○○と考えるとうまくいく」というマインドが遥かに大切だと思います。

マインドは簡単に身につくものでもないし、字を読めば理解出来るものでもありません。身につけたいマインドに触れる機会を増やすことが大事だと、わたしは考えています。

なので本田直之さんの著書全般はおすすめです。とりわけ本書は名書です。

先発、『大空のサムライ』

まさに日本のエースのお話です。

著者の坂井三郎さんは、旧日本帝国軍の海軍軍人にして、日中戦争から太平洋戦争にかけて活躍したエースパイロットです。

本書は、零戦に搭乗して戦ったパイロットの自伝です。

「脚色が強い」「創作だ」と揶揄されることはありますが、地獄の最前線を生き抜いた方の文章だと思うと、脚色だとか創作だとかどうでも良いです。

その人にしか経験し得なかったこと、その人にしか見えなかった風景、その人にしか話せない言葉が、本書に詰まっています。

あの戦争をリアルタイムで経験した人が少なくなるなか、自分で調べて、戦争に対する私見を持っておくことは大切だと思います。

太平洋戦争ものの書籍は、かなり心が沈む内容が多いのですが、本書は零戦の快進撃を中心に述べられているので、読んでいて痛快さを覚えるくらいです。

太平洋戦争後期の記述となっても、底抜けの明るさは失われず、読後感は非常に良いです。戦争ものの書籍に触れるなら、最初の一冊としておすすめです。

中継、『道をひらく』

パナソニックの創業者である松下幸之助さんのありがたいお言葉が詰まった一冊です。

最初から通して読むというよりは、ちょっとした機会に適当にページをめくって読む、という使い方をしています。

不思議と、いま悩んでいることにドンピシャな言葉が書いてあることが多く、自分の悩みや考えを整理するのに大いに役立っています。

常に手元に置いておきたい一冊です。

抑え、『稲盛和夫 最後の闘い―JAL再生にかけた経営者人生』

報道だけでは分からない、JAL再生の内幕を描いた一冊です。

稲盛和夫さんの『動機善なりや、私心なかりしか』という言葉は、どういう意味なのか本書を読み解くことで大いに理解することが出来るでしょう。

JAL再建の依頼があったのは78歳の時のこと。すでに京セラ、KDDIでの大きな成功(今では稲盛さんのマインドが残っているか怪しいですが…)を果たし、全国の中小企業経営者を育成することに注力していました。

体力面の不安、今の教え子たちに接する時間が減ることを懸念して、再建の話は断ろうと思ったそうですが、JALを再建する社会的な意義を考えたそうです。

もしJALが潰れてしまうと、

  • 日本の航空業界はANAの一党独裁状態になり、健全な価格競争が生まれず消費者にとって不利益が生まれる
  • JALに勤める数万人の従業員の雇用が失われる

ことになります。

したがって、JALを再建することには大きな社会的な意義があると考え、また『動機善なりや、私心なかりしか』という言葉と向き合って出した答えは、無報酬で再建に取り組むというものでした。

その後のJALのV字回復は周知のこと。いくら稲盛さんが凄腕の経営者だったとしても、ここまで綺麗に回復することは普通ではありません。

その内幕を事細かに、本書で描かれています。

単なる方法論の話では一切ありません。稲盛和夫という究極の経営者のマインドに触れることの出来るのです。

そこには、起業家だとか独立とか一切関係ありません。働くすべての人に読んでほしいと思う一冊です。

まとめ

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ビジネス書を読み始めの頃は、ノウハウ本や自己啓発本が好きで好きで仕方なかったのですが、ある時から「ノウハウ」や「自己啓発」では人生は全く変わらないことに気づきました。

全てのノウハウ本、自己啓発本が意味がないと言うつもりはありませんが、わたしは著者の生き様に触れることが出来る本や、知識欲を存分に満たしてくれる本が好きです。

本を読んだことを活かすも殺すも自分次第なので、ノウハウや自己啓発を取り込むより、マインドを磨いた方が、最終的により大きな結果を手にしているのではないかなと思うのです。

わたしはこう考えるというだけであって、正解かどうかは死ぬ間際になってみないとわからないでしょう。

これからも良い本を求めて、読書を続けていきたいと思います。