乗馬クラブクレインというところへ行ってきました!
『趣味は乗馬です。』とか言えたら、
めちゃカッコよくないですか?
(イメージの世界の)真田幸村のごとく、
大草原を疾走出来たらヤバくないですか?
秋山真之の兄である秋山好古の気分になって、
ロシアのコサック騎兵団を打ち破る妄想が実現出来たら最高と思いませんか?
そんな期待を胸に、
乗馬初心者の私が体験乗馬に行ってきました。
乗馬は人生初の経験です。
キャンペーン価格により、
用具レンタル代等全て込み込みで、なんと2016円でした。
やってみて分かりましたが、
これは本当に破格です。
ありえない値段です。
そんな体験乗馬のレポートを書きたいと思います。
そもそも、なぜ乗馬してみようと思ったか?
わたしが小学生だった頃の話をします。
近所のお祭りで数年に一度の頻度で、流鏑馬(やぶさめ)が行われていました。
流鏑馬(鏑流馬、やぶさめ)とは、疾走する馬上から的に鏑矢(かぶらや)を射る、日本の伝統的な騎射の技術・稽古・儀式のことを言う。
(Wikipediaより)
これが、めちゃめちゃカッコいいのです。
もの凄いスピードと、大地を蹴り進む馬の蹄の音の迫力が凄まじく、
幼心ながら感動した記憶は、うっすらとありませんが、
馬に乗る人すごいという記憶だけが残っています。
そして、中学生の時に三國無双がきっかけで、
吉川英治の三國志を読み込みます。
長坂坡の戦いにおける、趙雲があまりにも勇猛すぎて、
趙雲の虜になりました。
この戦いは、劉備軍vs曹操軍の戦いなのですが、
完全に戦力で圧倒的に劣る劉備軍がいかに曹操軍に追いつかれずに逃げ切れるか、
という絶望的な退却戦です。
その退却する軍の最後尾でしんがりを務めていたのが趙雲でして、
趙雲隊を含む劉備軍の後方の舞台は曹操軍と乱戦模様となります。
その中で、生まれたばかりの劉備の息子と、劉備の夫人が行方不明となります。
どうやら、敵部隊のどこかにいるとのことで、
主君の息子の命を重んじた趙雲は単騎で曹操軍の中に突入して行きます。
それはまさに万夫不当の豪傑という表現がふさわしい無双ぶりを発揮して、
なんと劉備夫人と息子を見つけ出します。
夫人はすでに重傷を負っていて、趙雲の足手まといになると判断し、
身投げして自害しますが、
劉備の息子を趙雲は胸に抱き、再び敵陣を突っ切って、主君の元へと戻ります。
またもスーパー無双ぶりを発揮して、
無事に劉備の元にたどり着きます。
これが趙雲です。
その長坂坡の戦いにおけるMVPは、
どう考えても趙雲の乗り馬です。
敵陣を単騎で突っ切るなんて、並の馬脚では無理でしょう。
趙雲みたいな騎兵になってみたいなと、
夢を見るのも仕方ないですよね。
実際に乗馬する流れ
2016円で体験乗馬が出来ると聞き、
早速電話で予約して行ってみました。
自分で用意する持ち物は、
・手袋(軍手のようなもので可)
・ジーンズのような滑らかなズボン
・外にいるのである程度着込んで行くこと(インナーを重ね着して、コートを脱いでも大丈夫な状態が望ましい)
※もちろん夏はこの限りではないと思います。要は後述のベストを重ね着する前提の服装が望ましいです
です。
レンタルで、
・ブーツ
・ベスト
を借ります。
それらを着込んで馬屋へGOです。
馬屋は、読んで字のごとく馬の部屋です。
ここで休むし、食事もします。
ちなみに馬は草食動物ゆえ、
いつ天敵が襲って来ても逃げられるように立ったまま寝るそうです。
なので大人しい性格のお馬さんは、体験乗馬中にちょっと立ち止まると居眠りこくそうです。
かわいいやつですな。
馬屋から、係の人に馬を引き連れてもらい、
馬具とか装着させる場所に移動します。
実際に馬に触らせてもらえるのですが、
直に触って、馬の温もりや立派な筋肉を目の当たりにすると、
長坂坡を駆け抜けられるパワーを確かに感じました。
ちなみに、こちらの乗馬クラブの馬は、
ほとんどがサラブレッド、つまり元競走馬なのです。
競走馬として生まれたが、才能が無かったためか、性格的に不向きだったためか、
引退して余生を乗馬クラブで過ごしているのです。
写真のこの子も元競走馬です。
デビューから2戦連続最下位だったため、早々に引退させられたそうです。
性格は穏やかで、他の馬の前を走ることが苦手という、
競走馬として致命的な弱点を抱えているそうで、2戦で引退もやむなしです。
かわいいやつですな。
さらに余談ですが、
こちらの乗馬クラブには、あのディープインパクトの兄弟もいるそうです。
ディープインパクトの父親は、サンデーサイレンスという超有名な種牡馬でして、
サンデーサイレンスの子供は2000頭くらいいるので特段珍しいわけではありませんが、
ガチな競走馬だった馬もいることに驚きです。
他にもクロフネの子供もいるそうです。
係の人から、いろんなうんちくを教えてもらいながら準備が整うと、
馬場へと移動します。
まず、台を使って馬に騎乗するところから始まります。
乗ること自体は難しくはないのですが、
思った以上に高いことに、ビビりました。
次に、馬を歩かせて、手綱を引いて止めるという一連の動作をします。
馬を歩かせるには、両足でお腹を蹴ると歩き出すように調教されています。
止まりたい時は、ゆっくりと手綱を引いて、
それでも止まらない時は、もう一度手綱を引くという要領で止まります。
ちゃんと止まったら、よしよし!と褒める意味で、
首の横をポンポンと叩くと喜ぶそうです。
そうすることで、搭乗者との信頼関係が深まるそうです。
ただ、わたしの騎乗した馬は、
結構な暴れん坊なのかよく動くので、普通にビビります。
係の人も『馬は軽車両に分類されるので、私を轢いたら罰せられますよ~』
なんて軽口を叩くものですから、手綱をしっかり引かないとと気を引き締めるわけです。
また、暴れる状態でもしっかりと姿勢を維持するために、
全身の筋肉を使うエクササイズにもなります。
このあたりが女性に人気な理由だそうで、
O脚の改善にも非常に効果があるそうです。
余談ですが、海外では『ホースセラピー』という馬を使った治療があるくらいで、
癒しとしても高い効果を発揮します。
このあたりも女性受けが良い点だそうで、
平日の乗馬クラブの9割方は女性客なんだそうです。
馬の脳は3歳児の脳と一緒だそうで、係の人に噛みついたり、わざと変な動きをしたりとか、
やっちゃダメと分かっていてもやっちゃうし、
やっちゃったら怒られることが分かっていてもやっちゃうそうです。
かわいいやつですな。
そうこうしていると、
動かし方にも慣れてきて、思ったとおりに歩かせ、
思ったとおりに止められるようになりました。
人間が慣れてくると、馬も「コイツ慣れたな」と分かるそうです。
そうやって何度も何度も練習して、
信頼関係を高めていくのがポイントだそうです。
この相棒感はとてもいいなと思いました。
30分経ったところで、体験乗馬は終了となりました。
自転車好きなら、一度は乗馬をやってみるべき理由
実際にやってみて、予想を遥かに上回る楽しさでした!
騎乗終了後に、係の人からいろんなことを教えてもらいました。
一番感銘を受けたのは、乗馬の技術についての話です。
乗馬の技術は自転車に乗ったり、スキーをしたりするのと同じで、
一度習得すると身体は忘れないものだそうです。
ひとたび習得してしまえば、数年後でも10年後でも身体は覚えているので、
すぐ乗れるそうです。
また、乗馬の技術は世界共通なんです!(ここが一番驚きました)
両足で蹴って前に歩く、よく出来たら首の横をポンポンする、
全て海外の馬にも通用することなんだそうです。
なので日本で乗馬の技術を習得しちゃえば、
本場のイギリスでも、ニュージーランドの大草原でも疾走可能ということです。
つまりリアル版ロード・オブ・ザ・リングが出来ます。
↑あなたもレゴラスになれる!
・一度習得すれば、いつまでも身体は覚えている
・世界中どこに行っても同じ技術が通用する
・軽車両に分類される
・乗るだけで全身運動になる
・相棒感が非常に高い
こんな特徴を持つものは、
馬以外には一つしかありません。
それは『自転車』です。
自転車と馬は限りなく近いものを感じました。
ただ、決定的に自転車と馬の違いが一つだけあります。
馬は生きていることです。
自転車を相棒と呼べる存在はありますが、
生物学的上は無機質な物体でしかなく、
相棒と言うのは擬人法です。
馬は実際に生きているので、
文字通り相棒なのです。
だから、時にはやる気がない時もありますし(馬は暑さが苦手)、
機嫌の悪いとき、体調の悪いときなどいろいろあることでしょう。
そうだとしても、共に技術を高め合っていける関係は素晴らしいです。
馬には100頭いれば100頭通りの性格があり、
100頭通りの表情を持っていて、同じ馬はいません。
こちらの乗馬クラブクレインでは、
お気に入りの馬を指名して搭乗することも可能です。
また馬術の現役オリンピック日本代表選手も在籍していて、
直接教えてもらえることも出来るそうです。
今回の体験乗馬で完全に馬にハマったかもしれません!
自転車乗りなら、一度は乗馬をやってみることを強くオススメします。
そして、あなたの趣味は何ですか?と聞かれたら
したり顔で『乗馬でございます』と答えてやりましょう。