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あきさねゆうの荻窪サイクルヒット

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ウォール街の金融マンがメジャーリーグ球団のGMとなる道のりを追ってみた

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現役時代は無名だった選手でも、メジャーリーグ監督になることは可能です。

無名だったプロ野球選手がメジャーリーグ監督になる軌跡を調べてみた。 - あきさねゆうの荻窪サイクルヒット

こちらの記事では、メジャーリーグの試合に出場することなく現役引退したジョー・マドンが、タンパベイ・レイズ監督として最優秀監督賞を受賞する名監督になった軌跡を調べています。

このマドン監督をレイズに招聘した人物が、レイズGMのアンドリュー・フリードマンです。

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フリードマンは、弱冠28歳にしてレイズのGMに就任します。さらに元々ウォール街で働いていた異色の経歴の持ち主です。

彼は一体どうやって、メジャーリーグ球団のGMになったのでしょうか?

道のりを追ってみました。

学生時代は、父のために野球をプレーしていた

アンドリュー・フリードマンは、1976年、テキサス州ヒューストンにて、ユダヤ人の家系に生まれました。

地元の高校から、野球奨学金を得てチューレーン大学に進学します。チューレーン大学はルイジアナ州の名門大学だそうです。

ちなみに父親も同じチューレーン大学の野球部に所属していました。アンドリューは父のために野球をしていたそうです。しかし、肩の故障により野球のプレーを断念することになりました。

その後は、金融の勉強をして、卒業後1999年から2002年までアメリカ大手投資銀行であるベアー・スターンズ*1に就職します。

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2002年からMidMark Capitalという未公開株を扱う会社に転職します。

MidMark Capitalに在籍中に現レイズオーナーである、スチュアート・スタンバーグと出会うことになります。

現レイズオーナーのスチュアート・スタンバーグも元金融マン

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スタンバーグは、元々は株式取引を扱う投資会社スピアリーズ&ケロッグで働く金融マンでした。2000年にゴールドマン・サックスに買収され、そのまま移籍します。

2002年にゴールドマン・サックスを退社し、当時のタンパベイ・デビルレイズを共同経営者となりました。

この際に、ゴールドマン・サックス時代の仲間であるマシュー・シルバーマンを引き連れて来ます。

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更に、このマシュー・シルバーマンが連れてきたのが、投資銀行家仲間であったアンドリュー・フリードマンでした。

スタンバーグは熱心な野球ファンです。シルバーマンは野球をプレーしていた履歴はなさそうです。そしてフリードマンは大学野球でプレーしていました。

なので、シルバーマンは共同経営者のスタンバーグに対して、野球に詳しいと思われるフリードマンを引き合わせたのだと思われます。

その結果、スタンバーグとフリードマンは意気投合して、フリードマンはレイズのフロント入りを果たします。

フリードマンは2004年から2005年までレイズの育成部門のディレクターを務めました。*2

28歳でのGM就任は歴代最年少タイ

2005年、スタンバーグはレイズを買収し、筆頭オーナーとなります。レイズの大改革が始まるのです。

球団社長には、シルバーマンを据え、GMには、弱冠28歳のフリードマンを就任させました。

元レッドソックスGMのセオ・エプスタインも2002年28歳の時にGMに就任します。

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現レンジャーズGMのジョン・ダニエルズも2005年28歳の時にGMに就任しています。

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エプスタインは元々、パドレスのPR部門で働きながら弁護士となってからの就任。ダニエルズは学生時代にロッキーズにインターンで働き、卒業後にレンジャーズに就職してからの就任です。

対して、フリードマンは全くコネのないところで、全く野球と関係ないウォール街で金融マンをしていました。この点が他の2人と異なり異色と言える点でしょう。

そうして、新生レイズの監督の座には、ジョー・マドンが就くことになるのです。

フリードマンのGMとしての手腕は高く評価されている

当時、最下位が定位置の全く勝てないチームを、ワールドシリーズ進出するほどのチームに変えた手腕はチーム内外から高く評価されています。

2006年シーズン中には、メジャー出場なかったベン・ゾブリストをトレードで獲得します。

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ゾブリストは2008年から頭角を現し、以降メジャーリーグを代表するスーパーユーティリティプレーヤーとして活躍します。

スイッチヒッターにして、20本以上HRを打てる長打力、2割台後半は記録する確実性、出塁率は概ね毎年3割5分以上は記録して、何よりも捕手以外の全てのポジションを平均レベルかそれ以上の守備力を持つという超使い勝手の良い選手です。

2016年は35歳ながら、4年5600万ドルという好条件でカブスにFA移籍しました。

2007年オフには、ツインズからマット・ガーザとジェイソン・バートレットをトレードで獲得します。

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ガーザは翌2008年シーズンは11勝を挙げ、リーグ優勝を決めるプレーオフで2勝をあげMVPに輝く活躍を見せます。

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バートレットはその広い守備範囲を活かして、岩村明憲と二遊間コンビを組み、チームのWS進出に貢献しました。

2009年以降も毎年地区優勝争いに食い込むような強豪チームへと変貌を遂げました。

このように、短期間で勝てるチームに整えたフリードマンの功績は大きく讃えられています。

そして、フリードマンは2014年オフにロサンゼルス・ドジャースに引き抜かれます。編成部門の取締役として、ドジャースに迎え入れられました。

契約は5年3500万ドルとのことで、年俸約8億円となるので驚きの一言です。並のメジャーリーガーの年俸より遥かに高いです!

金満球団ドジャースで、ワールドシリーズ制覇なるか

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昨オフ、ドジャースは広島カープから前田健太をポスティングで獲得しました。

その際の契約をまとめたのは、ほかならぬフリードマンです。(写真右の人物)

8年2400万ドルのみが保証されているという、異例の破格契約を結んだ張本人です。

結果として、前田は今のところ5勝をあげる活躍を見せています。

ところが、チームは首位と4.5ゲーム差の地区2位に甘んじています。

ここから、どう立て直していくのか。悲願のワールドシリーズ制覇に向けてドジャースの動向をチェックして行きたいと思います。

ドジャースがトレードに動いた際には、フリードマンの働きがあることを思い出しいただければと思います。

GMと言えば、アスレチックスのビリー・ビーンを思います。ビリー・ビーンは、元メジャーリーガーです。メジャーリーガーからGMになるケースも多いです。

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メジャーリーガーには引き際の美学が存在します。

*1:ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、メリルリンチ、リーマン・ブラザーズに次ぐ、アメリカ第5位の投資銀行でした。サブプライム危機の影響で、2008年JPモルガン・チェースに買収されました。

*2:「the Director of Baseball Development for the Rays」とあったので、たぶん育成部門という意味だと思いました。