一人旅は自分のペースで好きなところへ、好きなだけ行けることが楽しいです。
しかし、せっかちな性格のわたしは、絶えず動きまわる傾向にあるため、下半身に想像以上の疲労が溜まっていることに気づきました。
このため1日エネルギーが持たないので、夕方に休憩を挟むことにしました。
その第一弾として、アムステルダムのスターバックスで休憩しつつ、パソコンを開いてネット巡回をしていたのでした。
すると、わたしの画面に表示されている無数の漢字やひらがなを見て、「Are you Japanese?」と隣の席でパソコンを広げているメガネをかけた兄ちゃんが聞いてきました。
時間は、現地時刻19時頃です。ここから、わたしのアムスの長い夜が始まりました。
あなたの名前を漢字で書いてくれますか?
はじめは、「日本のどこから来たんだ?」「オランダには旅行か?」「何日くらいいるの?」「初めてのオランダ?」などと、よくある質問を受けて、都度答えて行きます。
これもよくある質問というか依頼なのですが、「あなたの名前を漢字で書いて欲しい」というやつです。
どうやら、以前日本に行ったことがあるらしく、それ以来日本人の名前をコレクションしているとのこと。
外国人は漢字好きな人が多い印象です。
「一生コレクションしておくよ」みたいなことを言われ、喜んでいました。
これで一段落して、またネット巡回しようと思いましたが、メガネの兄ちゃんは何やらパソコンがおかしくなっているようです。
画面が横画面なのに縦表示になってしまっているようです。
「ねえねえ、これの直し方分かるか?」と聞かれました。
以前、同じ現象で困ったことがわたしもあったので、ショートカットで戻せた記憶があります。
自分のパソコンでショートカットを調べて、兄ちゃんのパソコンを直しました。
「おお!どうやってやんだんだ?!」と喜ばれたので、良かったです。
気を良くした兄ちゃんは、いろいろと話しかけてきます。
「今日はどこに行ってきたんだ?」
「ザーンセ・スカンスの風車を見てきたんだ」
「あそこはいいところだね」
など、会話をしていると、「わたしはアートを学んでいるんだ」と話し出します。
ここからの会話の内容は9割8分くらい理解出来ませんでした。恐らく全文日本語でも半分理解出来たどうか分からないレベルの話です。
残りの2%で理解したことを、推測で補った話をこれからしていきます。
ルネ・マグリットという画家の話
こんな絵を書いている人です。
これはパイプの絵ですよね?それは、わたしにも分かります。
しかし、兄ちゃんは「これはパイプではないんだよ」と言います。何回か聞き直しましたが、「This is not a pipe」とハッキリ「NOT」が聞き取れました。明らかな否定形です。
ところが、パイプじゃないなら何なのよ?という英語表現が分からないために、「オゥ」とか「ワォ」と言って、分からないけど分かったフリをし続けます。
マグリットは初期の頃にこの絵を書いたけど、後半はこんな絵を書いている。この2つは違う絵に見えるけど、同じ意味なんだよ。
よく分からなすぎる!何が言いたいのはサッパリ意味ワカメです。
とりあえず、たくさん聞こえた単語は「different」「generation」「same」でした。
そして、兄ちゃんは最終的に「だから、文化の違いを知ることは楽しいんだ!」と言っていました。
それには同感なんですけど、「だから」の前の部分とのつながりがサッパリ分かりません。
そうこうしているうちに、スタバが閉店時間となりました。
兄ちゃんから提案を受けます。
「もし時間に余裕があるなら、この後別のお店でコーヒーでも飲みながら話さないかい?」
わたしは二つ返事で「OK!」と言いました。予定変更ですが、これも旅の魅力の一つに違いないと思い、夜のアムステルダムの街へと繰り出していくのでありました。
ちなみに、ルネ・マグリットで検索して、いろいろ読んでみると非常に興味深く面白かったです!ってか、これを英語で説明しようとしていたのかよ!難しすぎだろ!
ダッチ・トラディショナル
「ところで、お腹は空いている?」
と聞かれたので、「A little」と答えました。
「ダッチ・トラディショナル・フード(オランダの伝統的な食べ物)を教えたいから、バーで軽く飲まないか?」と聞かれました。
もちろん「OK」です。
けれども、あんまり遅くなるのは避けたいところです。
なので「22:30には帰りたいんだ。」と伝えると、「だったら、お店じゃなく、スーパーに行こう。スーパーでオススメのダッチ・トラディショナル・フードを教えるよ」と言うのです。
このへんは、英語は全く分かりませんでしたが、行動で意味を理解しています。
ということで、アムステルダムのスーパーと言えばアルバート・ハインですね!
アルバート・ハインでオススメの食べ物を教えてもらう
最初におすすめしてきたのはスープです。
「Unox」の「Erwten Soep」というエンドウ豆のスープと、
アルバートハインのPB商品の「ASPERGE-ROOM SOEP]というアスパラガスのクリームスープです。
1パック570mlとサイズが巨大なので、この場では購入せずに後日買おうと思いました。
次に、わたしは美味しいチーズを教えてくれとリクエストしました。
おすすめしてもらったのは、
「Edam(エイダム)」というチーズと、
「Polderkaas(ポルダーカース)」というチーズでした。
これらも一晩で食べ切れる量ではないので、見送ります。
お次はパンを教えてくれと聞きました。
「roggebrood」というライ麦パンです。
兄ちゃん曰く「味は強いが、チーズによく合う」とのことです。
試しに、買ってやるからこの後食べてみるか?という提案を受け、いいですよ〜という流れになりました。
続いてはチョコレートドリンクです。
「alpro」の「Choco」という1リットルパックです。
他のチョコレートドリンクよりもリラックスな味わいだそうです。「more relax」って言ってました。
兄ちゃんは「じゃあ、これはプレゼントするよ!」と言って、チョコレートドリンクを奢ってくれました!
そして、もう一つ写真に撮り損ねたのですが、カスタードクリームのデザートみたいなものも買ってくれました。
さあ、これらを食べよう!ということで、美術館広場を目指そう!と言って、スーパーを後にします。
そしたらすぐ近くの広場だと思うじゃないですか?30分近く歩きました
もしかして美術館広場って、アムステルダム国立美術館の近くに広がる公園のことなのかな?
だとしたら、めっちゃ歩くじゃないか、と心のなかで毒づきます。
というのも、わたしの自転車は今歩いている方向とは真反対のアムステルダム中央駅付近に置いてある上に、ここ3〜4時間くらいずっとトイレを我慢しているのです。
アムステルダムはトイレ難民になりやすい土地なので、マジで気を付けましょうね。
そんな状況で、すでに22時を回ったくらいの時間を男二人で歩いて行きます。
道中も様々な会話をしたはずなのですが、この方の英語は難しく、会話の90%くらい理解出来ていません。
そんなこんなで、ようやく美術館広場に到着。
先ほどのライ麦パンと、カスタードクリームのデザートを試食します。
ライ麦パンですが、正直ゲロまずかったです…。
ところが、悲しいかな。これが日本人の宿命なんでしょう。わたしは笑顔で「Yes, I like it!But I want to eat with cheese.」と答えました。すぐに手持ちの水で流し込みます。膀胱の関係で、これ以上水分を取りたくない状況なのに。
カスタードクリームのデザートは、めちゃくちゃ美味しかったです!あまりにも美味しすぎて、ライ麦パンとのリアクションの違いがさすがにバレたと思います笑
いよいよ帰宅の時間です。
自分の自転車を取りに行くために、ここまで来た道を戻っていきます。ここでメガネの兄ちゃんのパーソナルな情報をいくつか聞きます。
年齢は28歳だそうです。まさか年下とは思いませんでした笑 外国人の見た目から年齢は全然わかりません。
今はゲーム開発の勉強をしていて、もうすぐ1年経つそうです。日本の映画はトトロを見たことがあるそうですが、そんなに詳しくないようです。
広島に日本人の友達がいると言っていました。あとピアノを弾きたい。羽生善治のことは知らないと言っていました。
40分くらい会話して、これくらいの理解度です。とりあえず、トイレに行きたすぎて、よく考えられませんでした。
そうこうしているうちに、23時になりました。わたしの自転車を止めてある場所まで、わざわざついて来てくれて、最後まで見送ってくれました。
オランダ人は総じて優しい人が多いんだなと、感激しました!
一刻も早くトイレに行きたい気持ちをこらえて、Eメールアドレスを教えてくれ!と言い、アドレスを交換しました。
グッバイしてから、速攻トイレを探しに行きましたとさ。
いやあ、なんだかんだでいい出会いでした!アムステルダムはいろいろとエキサイティングな街です!
・この出来事の翌日に、ハンクおじいさんとの出会いが待っていました。