あきさねゆうの荻窪サイクルヒット

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【第12ステージ速報】デヘント勝利&フルームに前代未聞の事件勃発【ツール・ド・フランス2016】

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トーマス・デヘント(ロット・ソウダル)が見事な逃げ切り勝利を飾り、敢闘賞・山岳賞ジャージをゲットしました。

一方で、終盤アタックを仕掛けたクリス・フルーム(チームスカイ)に、悲劇とも言える大事件が起きました。

フランス革命記念日の逃げは13名

ベルトヤン・リンデマン(ロットNLユンボ)
セプ・ファンマルク(ロットNLユンボ)
ステフ・クレメント(IAMサイクリング)
セルジュ・パウエルス(ディメンションデータ)
ダニエル・テクレハイマノ(ディメンションデータ)
アンドレ・グライペル(ロット・ソウダル)
トーマス・デヘント(ロット・ソウダル)
ブライアン・コカール(ディレクトエネルジー)
シルヴァン・シャヴァネル(ディレクトエネルジー)
イーリョ・ケイセ(エティックス・クイックステップ)
ダニエル・ナバーロ(コフィディス)
シリル・ルモワンヌ(コフィディス)
クリスアンケル・セーレンセン(フォルテュネオ・ヴィタルコンセプト)

の13名が逃げています。

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残り90km時点で、メイン集団に18分の差をつけています。

この中でフランス人選手は、コカール、シャヴァネル、ルモワンヌの3名です。

逃げ集団の後方6分遅れで追走集団が形成されています。

ディエゴ・ローザ(アスタナ)
シリル・ゴティエ(AG2R)
トムイェルテ・スラフテル(キャノンデール)
ゲオルグ・プレイドラー(ジャイアント・アルペシン)
ポール・ヴォス(ボーラ・アルゴン18)

の5名が先行する逃げ集団を追いかけます。

ゴティエはフランス人です。

再び横風が吹いて、集団分断にかかる上位チーム

エティックス・クイックステップ、チームスカイ、トレック・セガフレードなどが協力して、ペースアップを図ります。

昨日に引き続きクリス・フルーム(チームスカイ)自身が先頭でローテーションに加わるほどの牽きを見せます。

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集団は分裂し、後方にはワレン・バルギル(ジャイアント・アルペシン)、ペーター・サガン(ティンコフ)、ラファル・マイカ(ティンコフ)、ティボー・ピノ(FDJ)、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)などが取り残されてしまいます。

モビスターは平坦アシストに難があるという弱点が露呈したので、スカイやトレック・セガフレードによるモビスターへの攻撃が狙いの一つでしょう。

今日も、プロトンの前方にはモビスターのアシストは2〜3名しか見当たりませんでした。

中間スプリントはケイセが先頭通過

ケイセ、リンデマン、グライペル、コカールの順で通過しました。

グライペルもコカールもポイントを加算しましたが、1位のペーター・サガン(ティンコフ)とは、200ポイント近く離れているのでマイヨ・ヴェール獲得の道は遠いです。

3級山岳の下り坂で、スカイのアシストが落車

サイモン・ゲランス(オリカ・バイクエクスチェンジ)が先頭で、3級山岳を下っていたところ、ゲランスがスリップして落車しました。

これにスカイのアシストであるワウト・ポエルス、イアン・スタナードが巻き込まれ落車しました。

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クリス・フルーム(チームスカイ)は、アシストを待つために集団のペースを落とそうとしたため、中盤の横風区間で千切れていた集団が復帰することが出来ました。

この動きによって、モビスターがアシストを揃えることが出来て、今度はモビスターが集団コントロールしながらペースアップを行う展開となりました。

グライペルの貴重なアタックシーン

チームメートのデヘントのために、グライペルがアタックを仕掛けます。

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エーススプリンターを務めるグライペルがアタックするなんて、非常にレアなシーンです。

しかし、グライペルがモン・ヴァントゥの登りをこなせるはずがないと、逃げ集団は誰も反応せず、登りに入ったところでアッサリと抜かれるグライペルでした。

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モン・ヴァントゥの登りに入って逃げ集団は崩壊

デヘントがペースアップを図ると、逃げ集団は崩壊します。

最終的に残ったのは、デヘント、パウエルス、ナバーロ、そしてフランス人選手のシャヴァネルが遅れがちながらもついていっている状態です。

今度はパウエルスが加速すると、ナバーロがチェックに入りつつ、デヘントが遅れてしまいます。

残り5km地点でデヘントは2人に追いつきます。

しばらくペースを保った後、今度はデヘントがアタックを仕掛けます!

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ここでナバーロが脱落してしまいます。

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デヘントとパウエルスがお互いに牽制しながら、残り1kmを切ったところで、脱落したナバーロが追いつきました。

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↑沿道の観客の量がすさまじい…。

残り200mくらいからデヘントが一気に加速します!

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スプリント勝負なら有利と見られていたパウエルスに対して、非常に良いスピードでゴールに向かいます。ナバーロはやはりついていけませんでした。

そのまま、デヘントが一気にゴール!

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超級山岳を先頭でゴールしたため、ステージ優勝、マイヨ・アポワルージュ、さらに敢闘賞をトリプルで獲得しました。

メイン集団では、残り7km地点でバルベルデがアタック

ヤルリンソン・パンタノ(IAMサイクリング)のアタックをきっかけに、アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)がアタックします!

バルベルデは見送るわけにはいかない選手なので、スカイはアシストを使って追走します。

しかし、スカイはアシストをまだ3名残しています。

そして、ついに!ナイロ・キンタナ(モビスター)がアタックします!

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このアタックで、スカイのアシストを1名削りとることに成功します。残り2名。

ここで、ロマン・クロイツィゲル(ティンコフ)、ダン・マーティン(エティックス・クイックステップ)が遅れてしまいます。

それにしても、スカイのアシストがあまりにも強力です。

ポエルスと、セルジオ・エナオモントーヤの両名が先頭固定で集団を牽引し続けます。

スカイのアシスト2人が苦しそうな表情を浮かべ始めたところで、フルーム自身がアタックします!

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すぐにリッチー・ポート(BMCレーシング)がチェックしますが、キンタナはついていけません!

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少し遅れて、バウケ・モレマ(トレック・セガフレード)がフルームとポートにジョインします。キンタナは苦しそうです。

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前代未聞の大事件発生!フルームが落車してランニング

メイン集団と20秒ほど差をつけて、フルーム、モレマ、ポートは快調に走っていました。

そんな3名に衝撃の事件が起きました。

観客が飛び出したため、急停止したカメラバイクに、フルームたちが激突して落車してしまいました。

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フルームのバイクはフレームごと壊れてしまったため、バイクを捨てて走りだすという前代未聞の光景が放送されていました。

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↑動画はこちら

www.akisane.com

↑詳しくはこちらの記事にまとめました。

結果的に、フルームには救済措置がとられましたが、総合争いに水を差される結果となってしまいました。

明日のTTへの影響も心配です。

デヘントは見事な勝利!マイヨ・アポワルージュも奪還

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強風吹き荒れる、簡単ではないステージを逃げ切ったデヘントは見事すぎる勝利です。

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同時にマイヨ・アポワルージュも奪還しました。

第8ステージ以来の山岳賞ジャージを着用となります。

さらに敢闘賞も獲得しました。

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長時間の審議を経て、無事にフルームのマイヨ・ジョーヌ表彰が行われました。

現地観客のフルームへのブーイングはいただけません。

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審議前の暫定結果では、総合1位だったアダム・イェーツ(オリカ・バイクエクスチェンジ)ですが、満面の笑みでマイヨ・ブランの表彰を受けています。

自身も第7ステージでフラムルージュが落下して激突し、タイムを失うところを救済してもらいました。

イェーツだけでなく、今回の裁定は誰もが納得する結果だったと言えましょう。

マイヨ・ヴェールはペーター・サガン(ティンコフ)がキープしています。

あきさね的チェックポイント

デヘントの素晴らしい勝利の裏で、本来山岳賞を狙うべき選手の調子の悪さが目立つ

本ステージが行われるまでの、山岳賞ランキングトップのティボー・ピノ(FDJ)、2位のラファル・マイカ(ティンコフ)は、揃って中盤の横風区間での集団分裂で後方集団に取り残されていました。

また、ポイント3位のトム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン)、4位のルイ・コスタ(ランプレ・メリダ)は、終盤のペースアップで遅れてしまいました。

本来であれば、逃げ集団に乗ってポイントを取りに行くべきところですが、あまり調子が良くないようです。

このため、山岳賞でポイントを稼ぐ選手がめまぐるしく入れ替わっているため、マイヨ・アポワルージュ争いが混沌としてきました。

今大会は逃げ切りが決まることが多いので、アルプスでの山岳ステージでも逃げに乗った選手が山岳ポイントを稼ぐ展開になりそうです。

山岳賞争いの行方も注目です。

フルームのアタックについていけなかったキンタナ

キンタナが今大会初めて攻撃を仕掛けましたが、スカイのアシスト(ポエルス、エナオモントーヤ)すら削れない結果となりました。

逆にフルームのアタックにはポートやモレマはついて行きましたが、キンタナはついていけませんでした。

今日の登り以上に、キンタナに向いているコースはなかったわけで、キンタナの力はこんなものだったのかと、少々ガッカリしております…。

また、モビスターのアシスト陣も山岳では結局バルベルデ以外誰も残っていない状況が続いていて、平坦ではキンタナを一人きりにしたりと働きが悪いように見えます。

総合力でも個人の力でもスカイ、フルームに優っている点を探す方が難しいです。

一方でリッチー・ポートは非常に良い走りをしていて期待が持てました。そう思えば思うほど第1ステージでのパンクによるタイムロスが悔やまれます。

とはいえ、フルームも今日の事件の影響が明日以降の走りに影響するかもしれません。

まだまだ分かりませんが、屈指のアシスト陣と鉄の精神力を持ったフルームが圧倒的に優位に立ったことを感じさせるステージでした。

明日の第13ステージは、天下分け目の個人TT

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スタートしていきなり平均勾配4.8%の登り坂が7km続きます。

ゴール前にも4.9%の登り坂が3km設定されています。

単純なフラットコースではないため、クライマー系の総合ライダーに有利に働くレイアウトです。

ステージ優勝予想は、トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン)です!

登れるTTスペシャリストと言えば、今はドゥムランがトップレベルでしょう!

他には、昨年のアワーレコードを持つローハン・デニス(BMCレーシング)、元TT世界チャンピオンにしてラストツールのファビアン・カンチェラーラ(トレック・セガフレード)、同じく元TT世界チャンピオンのトニ・マルティン(エティックス・クイックステップ)、現TT世界チャンピオンのヴァシル・キリエンカ(チームスカイ)も有力候補です。

さらに総合勢のクリス・フルーム(チームスカイ)、リッチー・ポート(BMCレーシング)、ナイロ・キンタナ(モビスター)にもステージ優勝の可能性は十分にあります。

個人的に注目しているのは、ピエール・ロラン(キャノンデール)です。今シーズン全く良いところのないロランですが、科学的トレーニングの成果は果たして出るのかどうか。

明日第12ステージは、スカパー・J Sportsで20:55から中継開始予定です。実況はサッシャさん、解説は宮澤崇史さん、ゲストはルーク篁さんです。

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